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贄の花嫁の幸せな嫁入り〜八日後に永久なる愛の契りを〜  作者: 朱宮あめ


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7/13

嫉妬


 嫁入りして三日目の深夜、いつものように白玖が部屋に訪れた。

 白玖はやはり、深夜にしか訪れない。昼間なにをしているのか気になったが、聞く気にはなれなかった。

 しかしその日やってきた白玖は、むっつりとしていた。

「……なんですか?」

「なにがだ?」

 被せるように質問返しされ、橘花はむっとする。

「……だってなんだか、機嫌が悪そうなので」

 いきなりやってきて、ふくれっ面をされても困る。

「…………」

 橘花は困ったように白玖を見た。白玖はしばらくむっつりしたあと、橘花の眼差しに根負けしたように息を吐いた。

「……焼き菓子」

「え?」

 白玖は、聞こえるかどうかくらいの小さな声で呟く。

「……俺があげた焼き菓子。珠が嬉しそうに持っていた。橘花からもらったと言っていた」

 白玖は口を尖らせて言った。

「……もしかして、焼き菓子を珠に譲ったから怒ってるんですか?」

 図星をつかれたことが余計苛立ったのか、白玖は、

「怒るだろう! 俺は橘花にあげたのに」

 と言った。

 そういうものなのか、と橘花は反省した。まさかそんなに機嫌を悪くされるとは思わなかった。

「……ごめんなさい。もうしない」

 しゅんとした橘花に、白玖は慌てる。

「あ、いや……責めているわけじゃない。ただ、寂しかっただけで」

「食欲がなくて……食べられなくて悪くするより、珠が食べてくれたほうがいいと思って」

 呟く橘花に、白玖はハッとした。

「食欲がないのか?」

「……まぁ、はい」

 橘花は小さく頷く。

「……なにか食べられそうなものはあるか? 用意する」

「いえ、べつに大丈夫です。どうせ……」

 抗ったところで死ぬのだし、と言いかけて、口を噤む。

 さすがに白玖の前でそう言うのは不謹慎だろう。

「……じゃあ、プリン」

 ふと、そんな言葉が口をついた。

「プリン? プリンが好きなのか?」

「あ、いえ、食べたことはないのですが……珠が好きだと言っていて。あまりに嬉しそうに言うから、食べてみたくなって」

「そうか。分かった。明日には用意する」

「……ありがとうございます」

 プリンがどういうものかは知らないけれど。

 白玖がくれたものなら食べられる気がする、と橘花は思った。

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