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07 猫

「なんですって?」

 思わず私は大声を張り上げていた。雑誌記者の言葉が急に私の中でふくれ上がり、金輪際ないと思っていた希望を爆発させたからだ。

「くわしい説明は省きますが」

 ジェローム・J・ブルース記者、いや、親しみを込めてJJはいった。

「あの猫蜜柑は、きっとアキコさんが気に入ったんでしょうな。彼女が宇宙港の警備員に連れられていたときも、警察に連行されたときも、もちろん事件があったそのときも、ずっとアキコさんから着かず離れずの位置にいたんですよ。ペロ――って、あたしはそいつに名前をつけたんですがね――のオレンジ色の毛にはオールドストーンさんの血とアキコさんの髪の毛がついてましたから、警察も彼を証拠物件として連行しました。もっとも彼らは、そのとき彼がアキコさんと一緒にいたということは認めましたが、彼が自分たちの役に立つとは思わなかったんでしょうな。毛の一部だけは切り取りましたがね。だから、事件を取材していたあたしが、譲り受けることができたんです。……で、話を戻しますが、アキコさんが事件のとき見たと主張される空の色は緑と黄緑、そしてすばやい検死解剖の結果オールドストーンさんが最後に見たと思われる空の色は、ほぼオレンジと特定されています」

「わかった。それでアキがその色の空を見たそのとき、猫蜜柑がのどをゴロゴロ鳴らしていたっていうんだな!」


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