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03 鶏

(中略)リレイヤーの二つの太陽は紫外線を多く輻射する。そしてリレイヤーの生物のほとんどは炭素型だ。そこでFLBが重要になる。より正確にいえば、FLBに含まれる蛍光色素が、問題解決に役立つことになるわけだ。蛍光色素は、一般的にいって、より高いエネルギーの光を吸収して、それより低いエネルギーの光を放出する。地球の七色、赤橙黄緑青藍紫でいえば、紫色を吸収し、藍色、あるいは青、緑、黄、橙、赤色――またはその混合色――を放射するという具合である。そして紫色よりエネルギーの高い、人間の目には見えない色が紫外線。リレイヤーの空中浮遊性微生物に含まれる蛍光色素はその紫外線を吸収して、生物にとって危険のない、いわゆる色を放出する。それらの色が生物の代謝作用や、地球の葉緑素が行うようなエネルギー変換の役に立つ。リレイヤーのFLBがこの惑星に果たす役割のメカニズムは、おおよそ、そんな具合だが、これでは、正直いって〈卵と鶏〉の説明だ。鉱物性植物、ポリマーローズが吐き出したFLBによって、リレイヤーに炭素型生物が可能になったという考え方も、もちろんできる。もっとも、どちらが正しい説明なのか、筆者にはさっぱり見当がつかない。筆者にいえるのはただひとつ。ここリレイヤーのすべてが、この地に住まうすべての生物にとって、まったくありふれた現実ということだけだ(後略)。

 コスモ・アタヴァクロン誌

  特派員 ジェローム・J・ブルース記者


 そしてカブキによれば、紫外線を関知できる視物質を持つがゆえ、鶏が先だという結論が出る。


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