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仮)極龍我  作者: 鳥龍
6/13

    其の五

グダグダなのを分かっていながら投稿する自分は可笑しいな(汗)

 俺は夜龍と共に、禁断の森へ行った。夜龍は楽しそうに色々話し掛けてくれるが、俺は笑えずに、適当に返事した。

 気付くと、既に森の前まで来ていた。俺は何気なく夜龍を盗み見た。

 あろうことか、剣を抜いていた。

「夜龍。何で剣を引っ提げて入るんだよ?」

「ん? 王から聞いたと思うが、此処には身元も知らぬ少女が居る。幼いとは言え、容赦は出来んからなぁ。……見つけたら、即排除するためだ」

 慌てて制止する俺を無視し、森へ入って行った。それを追う。

「夜龍。待ってってば」

 ようやく振り向いた。

「何だよ。慌てて」

「実は……。少女を見逃したのは、俺なんだ。すまん。俺、国王に嘘ついて、お前のせいにしちまった。だから、部屋に手紙を置いてある。自分の罪を白状した手紙だ。それを国王に渡してくれ」

「剣斬。お前、自分で渡さないのかよ」

「俺は此処で、お前に殺される。いや、殺してもらう」

 夜龍は困った顔をしていた。

「友人を殺すのは好きじゃない。剣斬。お前、俺に濡れ衣を着せたんだよな?」

「すまない……」

「謝るな。お前が俺を殺せ」

 意外な答えに、どうすればいいか分からず焦る。

「な、何を……」

「その代わり、あの少女を別の場所へ移せ」

「何故……?」

「お前が殺さずに生かしておいた人間だ。いい奴に育つだろう」

 夜龍が近くの茂みに剣を向けた。

 ……この気配。

「樵か?」

 ひょこっと顔を覗かせた小さな生物は、やはり、樵であった。困惑した表情をしている。

「剣斬。貴様……」

 夜龍を見た俺の顔から、血の気が引いていく。彼の顔が怒りで赤黒い染まり、どんな生物よりも恐怖に感じた。それに、雰囲気が殺気に満ちている。

 樵は慌てて逃げ出した。

「貴様ぁ!」

 夜龍が俺に掴み掛かってきた。

「少女を見逃し、俺に濡れ衣を着せただけではなく、此処の野獣たちとも関係を作っているだと!? それが、王に忠誠を誓った貴様のやり方か!? 貴様には、責任も誇りも無いのか!!」

 そのまま俺は、地面に叩きつけられた。

「っ……」

「剣斬。目を覚ませ。お前は、野獣たちの意のままにされているんだ」

 俺はハッとなり、夜龍を見た。

「俺は、お前を失いたくはない。なぁ、剣斬。俺は昔、王に命令されたんだ。いつか、剣斬と共に野獣たちを殺せ、と。今がその時だと俺は思うぜ」

 言い終わるのと同時に、野獣たちを捜しに行った。夜龍を追いかけなければいけない事は分かっている。だが、体が動こうとしない。

「剣斬」

 樵が出て来た。

「お前、俺たちを……殺すのか?」

 怯えたような悲しそうな目で、樵は俺を見ていた。

 俺はその質問に、答えられなかった。

「あ"ーー!!」

 森の奥から悲痛な叫びが聞こえた。誰かが斬られたらしい。

 野獣たちを助けに行くべきか、夜龍の援護に行くべきか……。

「樵。木の上に隠れてろ。お前だけは、俺の手で殺したくないからな」

 俺は急いで森の奥へ行った。



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