最終話 新しい通知
背景父上様、母上様、あれからどのくらいの年月がたったでしょうか。
ワタシ達兄弟は大分変りました。
兄貴は最近では公正し、毎日嫌々ながらも学校に通い部活にも通っているようです。
ワタシも数週間前ハーバート大学を飛び級し卒業してきました。
今では昔家の地下迷宮で見つけた謎の書物の解読と実験を繰り返しています。
過去、色々とありましたが、もしよろしければ近々お会いしませんか?
お返事、お待ちしております。
ワタシは少し戸惑いながらもスマホの画面をタップする。
「押してしまったか」
ワタシ達兄弟が親と別居し早数年、一切の連絡も文通も無かったが、このラインの文章で何かが変わる気がする。
兄貴が引き籠り、その為心を病んでしまった母の為に別居していたが、もう年齢的に一緒に住む必要もない、ただ顔を合わせるだけだ。
ワタシはあまり迷惑をかける事は無かったが、よく警察署に連れていかれた時に大慌てで迎えにも来ていた事もあったか、その時は玄さんと小難しい話をしていたが・・・確か超人化薬だとかなんだったか・・・まぁいいか。
「兄貴にはいつ伝えようか?」
階下では兄貴とその友達達がキャッキャと遊んでいる。
家に友人を連れて来るとは感無量というべきか、大きくなったな・・・。
最近は兄貴も泣く泣く女として振る舞う所もたまに見かけるので、ワタシの嫁になるのも近いかもしれない。
そんな兄貴の服は今日は簡素な白ワンピ、いつも思うが兄貴はどうやって服を調達しているのか。
もしも真衣が買ってきているのであれば、ちゃんと金を返さねばならん、あいつに貸しを作るのは後が怖い。
最近ではワタシを見る目がますます鋭くなってきている。
そんな事を考えていると、ポンッという音がスマホから流れる。
『わかった 母さんも大分落ち着いてきた 次の日曜日に会おう。』
日曜か、あまり時間はないし今から伝えに行くか!
「というよりワタシの嫁ニキとキャッキャウフフしてる女子共が許せん!兄貴とキャッキャウフフするのはこのワタシだーーーーー!」
その後、1Fの兄貴の部屋の前で白く燃え尽きる宗太の姿があったのは、想像にかたくない事であった。
皆さん、短くも長い期間読んでいただきありがとうございました!




