第二十話 TS兄貴!に良い所を見せる為、凡人のワタシが本気を出してみた
久しぶりの派出所から帰宅、2Fのカーテンが開け放たれ、中に誰もいないのがよくわかる。
昔は毎日兄貴がいたのになぁ・・・と感慨にふけりながらもリビングの椅子に座り、いつもの元帥ポーズで思考を加速させる。
恰好は派出所のまま、白衣に婦警服、そしてナイスバディの美女だが、身体、思考能力は男の時と遜色無い。
そして今のワタシがやるべき事は兄貴に良い所を見せる・・・つまりパイ乙、裸体だ。
だが兄貴の事だ、「俺は男、お前は女、オーケー?」と言って拒否してくるに違いない。
「ふふ、なんて奥ゆかしく恥ずかしがりやな兄貴なんだ・・・だがここで折れたらワタシが廃る!」
ワタシは更に思考を、五感を、未知のなんかあれな物を総動員させ、ワタシのような一般人でも出来る最良にして、不自然なく兄貴の裸体を拝・・・ワタシの良い所を見せれるかを考える。
「今は兄貴が友人の部活終わりを待っている頃合いだろう」
そこから、最近の兄貴の体力指数、歩くスピードを計算、どのくらい汗を衣類に沁み込ませるかを予想し、心を滾らせ・・・絶対失敗しないよう細心の注意を払ってお湯張りの時間を計測。
作戦としてはいたってシンプルだ、兄貴が帰って来たタイミングでお湯が沸いた事を知らせ、偶然にもその場面に出会ったワタシと兄貴で一緒にお風呂に入るという完璧プラン、別名ラッキースケベ作戦だ。
とはいえ普通に切り返してもやはり断られる可能性は高いとなると、二人一緒に何らかの汚れがつき、落とす為に風呂に入る、今はちょうど夕飯を作り出してもおかしくはない。
「カレー・・・いや、やはりここはクリームシチューだな」
何故クリームシチューかなど言う必要もないな、決して白い方が興奮するとかそんな理由ではないが。
ワタシは厨房で軽く必要な素材を関節を外しながら取り出し、ニンジンやタマネギ、鶏肉等の食材を指でこまぎれにしていく。
もし少しでも大きい物があったら、折角の白い液体が台無しになるからだ。
そしてこまぎれにした食材を片手で鷲掴みにし、体温で中火に熱する。
そのまま用意しておいた底の深い鍋に指を突っ込み沸騰させ、食材パラパラを入れちょうど良い具合(ネットリ度)になるまでじっくり観察、完成したクリームシチューを片手に、火傷しないぐらいの熱さまで食器越しに冷やす。
いつものような高級レシピは使っていない、誰でも出来る平凡なクリームシチュー、料理法も平凡の平凡だが、この料理にかけられたワタシの期待は大きい、これこそ漢のロマン・・・白いベタベタを目指した果てのクリームシチューだ。
これを帰って来た兄貴とワタシにぶっかける、これが第一関門だ。
白くてベタベタした物で汚れたワタシ達はそのままお風呂にゴールイン!
「いや待て」
ワタシは今の服装を見直す。
最近お気にの白衣に、警察署で渡された婦警服。
脱ぎにくい上になんと色気の無い事か。
これはなんとかせねば。
耳をすませれば、兄貴が学校から帰ってくる音が聞こえてくる、丁度良いあと5分くらいか?
ワタシは全身に力を込め、婦警服だけを粉砕して木っ端みじんに、その粉を思いっきり吸い込みツバと共に水道管の奥にゴーシュート。
「後は・・・何もないな?」
そわそわしながらクリームシチュー片手に厨房でスタンバイ、玄関の扉がガチャリと音を立てて開く。
「歌ーただまー、帰ったぞー」
兄貴が旧名でワタシを呼びながらリビングに歩を進めているのがわかる。
そうか・・・兄貴はワタシが女だったら、ちゃんと「ただいま」とか「おかえり」とか言ってくれるのだな・・・。
何か複雑な気分になりつつもリビングの扉から現れた美少女に息を荒げる。
もう夕方だというのに艶やかな明るい髪、ほのかに香る汗の匂いが兄貴の匂いに混ざり甘い匂いを漂わせ、疲れを見せた表情が、完璧ともいえる兄貴のお顔が見せるちょっと崩れた感がとてもグッド!
「はぁはぁ・・・おかえり兄貴はぁはぁ」
「ああ、ただまー、何か随分疲れてそのわぁ!?」
兄貴が心配そうにこっちを見た瞬間、慌てて顔を隠す。
「なんちゅー恰好してんだよ!」
「いつもの白衣に全裸だが?」
「良い加減女としての自覚を持ってくれよ!」
兄貴がぷんすかと頬を膨らませている、可愛い、食べちゃいたい。
ワタシは今すぐお持ち帰りしたい気持ちをグッと抑え、クリームシチューを構える。
「そういえば兄貴、今日はいつもと少し違う匂いがするな、どこか行っていたのっと!?」
ごく自然に話ながら歩いていたワタシは、不幸にも両手のクリームシチューを宙に浮かせてしまう。
そしてクリームシチューがかかったのを確認し、倒れるように兄貴に覆いかぶさる・・・そんなワタシの背中にも程よい熱さのCREAMSTEW。
そして狙ったタイミングのYUWAKASI音、完璧なタイミングに完璧な状態、ワタシは気持ち悪く笑みを浮かべる。
PERFECTだ!
「おわぁ!?あっつ・・・くない?何このベトベトしたの・・・クリームシチュー?」
「いやすまない、少し転んでしまった。このままでは風邪をひいてしまう、はやく・・・はやく・・・」
ワタシは続きの言葉を発そうとし、しかし異常事態を目の前にして続く言葉を発せられない。
兄貴が 白いベタベタだらけで 尻もちをつき 白いベトベトを舐めている
おわかりいただけただろうか?
ワタシはその光景に思わず、今は無い聖剣がエクスカリバーを放とうとしている感覚に襲われる。
「つーべとべとして気持ち悪い、ちょうど風呂沸いたみたいだし風呂でも入るか」
一種の賢者モードにすら達していたワタシは、兄貴のその言葉に我に返る。
「そ、そうだな!このままでは二人共気持ち悪くて仕方ない、一緒に・・・」
「一緒には入らないぞ?俺は男、お前は女、な?体は違ってもそこは忘れるなよ?」
「はい・・・」
シュンとするワタシを無視し、兄貴が部屋に戻って行くのを確認する。
平凡なワタシが本気を出しても・・・兄貴にワタシの良い所を見せられないのか・・・。
はい・・・そろそろネタがありませんね・・・(最初から無い
ポイントもそろそろストップ気味なのでなんとかハッピーエンドを迎えたい所ですが・・・。
一般的な日常系故に、どう決着をつけたものか・・・。
やはり性転換薬でなんやかんやあってラストを迎えるか・・・?いっそ兄貴を嫁がせるか・・・?




