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TS兄貴!  作者: ヒロメル
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第七話 TS兄貴!弟の思惑

 兄貴が女体化して数日、早くもワタシの計画は成果を上げつつある。


 昨日警察署から帰宅したワタシは、真衣に感謝の電話を送ると共に驚くべき情報を手に入れた。

 なんとあの兄貴が門前まで見送りをしたというのだ。

 ここ数年間、何をしても外に出ようとしなかった兄貴が外に・・・。

 そう思うと目頭が熱くなるのを感じる。


 ワタシの中に、ここは慎重に行くべきだという気持ちと、今が攻め時という意見が頭の中をよぎる。

 焦って更に引きこもりを悪化させるのはもってのほか・・・、だが今を逃せばまた外に出るのが億劫になってしまうのではないか?


「いっそ、読心術を学ぶのも手だが・・・」


 ワタシはパチリと両手を叩き、勢いよく立ち上がる。

 そして財布を手に兄貴の部屋の扉をコンコンと叩く。


「兄貴、少し良いか?」


 部屋の中からはあからさまな嫌オーラが溢れているが、しばらくして扉が少し開かれる。

 いつの間にチェーン等つけたのか、これ以上開かないようにした扉の隙間から兄貴の顔が伺える。


「な、なんだよ」

「うむ、実はな」


 そう言って財布を取り出すと、扉が勢いよく閉じられた。


「な!何故だ兄貴!?」

「俺の体は金を積んで買える程安くないんだよ!!」

「勘違いだ、ワタシは女の体に興味はない」

「それはそれで兄として聞きづてならないんだけど!?」


 扉の向こう側では兄貴がギャイギャイ言っているが、好意を持ってない女の体に興味が無いのは普通だろう!

 友人は女ならだれでも良いと言っていたが、ワタシは違うのだ。


「そんな事よりも、だ」


 少し真剣味を醸し出した声を出すと、兄貴の怒声が聞こえなくなる。


「兄貴がやっているオンラインゲームとやらでは、課金をすれば強くなれると聞いた事がある」


 ガチャリという音とともに、再び兄貴の可愛らしい顔が現れる。

 見ていると、やっぱり体を売ってくれと言いたくなる衝動を抑え、財布から諭吉を一枚取り出す。

 オンラインゲームとやらに詳しくはないが、直前のリサーチによるとちょうど今新しいガチャとやらで盛り上がっているらしい。


 ここはガチャ欲とやらに訴えかけながら・・・攻めに転ずる。


 ワタシの思惑も知らずに、兄貴が目を輝かせる。


「まさか買ってきてくれるのか!?」

「いや、ワタシもそこまで暇ではないんでな、もし課金するというならば兄貴に買いに行ってもらう事になる」


 再び閉まりそうになった扉に足をつっこみ、それ以上しまらないようにする。

 兄貴が小さい足で必死にワタシの足を蹴っているが、正直蚊ほども痛くない。


 やがて無駄だと悟ったのか、涙目になりながら、悔しそうにワタシを見上げる。

 可愛いな、脳内保存しとくとしよう。


「一万円で俺を外にだそうだと!?引きこもりをなめるなよ!?」


 恨めしそうにワタシを見上げる兄貴の前で、諭吉を挟んでいた人差し指と中指を少しづらす。

 すると後ろに隠れていたもう一枚の諭吉が顔をあらわせる。


「な!?・・・い、一万が二万になった所で・・・」


 少し動揺する兄貴を尻目に更に指を傾け、隠れていたもう一枚を見せつける。


「・・・」


 三枚目を見た瞬間、兄貴が微動だにしなくなる。

 恐らく色々と天秤にかけているのだろうが、今回兄貴がやっているオンラインゲームでの天井とやらが三万だという事も調べがついている。

 ここで折れてくれなければ・・・残念ながらまた暫く作戦は遠のく事になるのだが・・・。


 兄貴は頭を抱えたり頬に指を当てたり、表情をコロコロさせると、覚悟を決めたようにワタシを見上げる。


「着替えて来るから少し出てってくれ」


 よし!

 ワタシは思わず心の中でガッツポーズを決めると、上機嫌に扉から足をどける。


 兄貴自立作戦第二フェーズに移行だ!

ふふ・・・皆さんお察しかもしれませんが、見切り発車の為常にネタ切れ状態です。

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