疑惑と信頼
村長とペルが帰り、フラハも自分のテントに戻った後、サスケとエイリアは戦戯盤をはさんで向かい合っていた。
「エイリア様、ベルトロッサ様がイーズラ様と密会しているのはご存知でしょうか」
「いや、知らないな。君の番だ」
たまに二人はこうして戦戯をする事があるが、サスケは一度も勝った事がない。
ちなみにこの戦戯盤は村長がエイリアと打ちにきてそのまま置いったものだ。特にエイリアが私物として輸送部隊に運ばせたものではない。
「ではベルトロッサ様がイーズラ様と会っているのはエイリア様の指示ではないのですね」
サスケはコマを進めながら確認するようにもう一度きくが、エイリアの答えはすこしずれたものだ。
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「あいつは私がわざわざ指示しなくても自分で動けるだけの男だよ。それにしても水臭いやつだ。危ない橋は一緒に渡ると言っておきながら・・・まあ、この程度は危ない橋ではないということかな」
エイリアはまるで考えていないようにすぐにコマを動かす。
「ベルトロッサ様がイーズラ様と接触しているのはエイリア様のスパイとして動くためですか」
サスケがエイリアの大将軍のコマを狙って隠密のコマを動かす。
「それはどうかわからないが、ベルトロッサは本気でイーズラと手を組むほどバカではないよ」
「愚かではないから、ついていくべき人間の判断を間違わないと言われるのですか」
目端が利くから、イーズラのような愚か者についたりしないと思っているとしたらそれは甘い考えだとサスケは思う。
「私がベルトロッサを信じている理由は彼が誠実だからだよ」
「そうでしょうか」
サスケは納得できないようだ。サスケの聞いた噂だけでもベルトロッサの女たらしは相当なものでいまいち誠実とはいえない気がするのだ。
「大丈夫だよ。ベルトロッサは私によく似ている。詰みだよ」
「あ~、そこはダメです。ちょっと待ってください」
エイリアが無造作を置いたコマをサスケが恨めしそうにかわいらしい顔でにらんでいるがエイリアは取り合わない。
「待ったなし、だ。さ~て、今回は何を命令してやろかうな」
意地悪な顔をするエイリアに、
「こんな賭けをしなくても私はエイリア様の命令を拒否したりしません」
サスケは憮然とした顔で言うのだった。




