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15, 勇者を討伐します

公爵領へと戻ってきた。何故かライオン丸たちもついて来たけど。


「ご苦労じゃった。」


公爵様とのじゃが出迎えてくれた。


「暇なんですね。」


「暇な訳ないじゃろう!」


のじゃが怒っている。ヤバ、また声に出ていた。


これまでの事を全て報告する。神官は何故か逃げる素振りは見せず大人しく公爵領までついて来ていた。


「勇者か……」


のじゃは遠い目をして天井を見上げていた。そうだね、また勇者なんだよねー。マンガやアニメで勇者が問題を起こす話しがあるけど、こんなに迷惑な勇者だとは思わなかった。


次に話しが振られたのは神官なんだけど、やっと話す気になったのかぼそぼそと話し始めた。


どうやら、勇者と神官は神国へ連れ戻され、揃って糾弾された。が、勇者が突然おかしくなってその場に居た者たちに危害を加え始め逃走した。


「私は、その、勇者様が心配で、あとを追って来ました。」


うん。わかるよー。勇者が逃げたから自分も継いでに逃げたって、言えないよねー。のじゃもわかったのね、神官をジト目してるし。


「それでじゃ。勇者討伐の依頼をそちに頼みたい。」


「えー……」


もう他人ごとだとたかを括っていたのに、のじゃが言い出したことで我に返った。また俺ですかー。何かにつけて俺を頼るのはどーかと思いますよー。


それに、どこ行ったか分かんない(勇者)を探すなんて、めんどくさー。俺が嫌そうな顔をしていても、完璧に無視して話しを進めてくる。


「お金は……」


「わかっておる。」


今回は成功報酬と言う事になる。金貨300枚。安くないか、2,3日で片付けば良いけど長引いたら大損だよ。失敗することを考えていないのは、我ながら度し難いと思うけど、所詮は勇者だし。姿かたちは謎生物に変わっても、ポンコツ勇者だからなー。


まったく緊張感が持てなかった……ことを後悔するのは後ほどのことでした。






移動と山での勇者捜索から早1ヶ月。村からの痕跡を追うが、何処行ったんだよ、ユウーシャー!


まずはじめの後悔です。


ちょっと簡単に考えてた。ライオン丸たちも手助けしてくれているが、勇者を見つけられない。痕跡がね、ぷっつり切れてるんだよ。不思議だよねー、まるで消えたように。ーーーこの世界に転移系の魔法ってあったっけ?


何故か俺たちについて来た神官に、転移魔法に聞いたけど、理解すらしてなかった。そうなんだ。この世界の魔法って自由過ぎて体系がない。どう言うの?火の魔法、水の魔法、風の魔法みたいに属性しか知らない。


魔導師が火の塊を飛ばすのも、ファイヤーボールとかバレットとかの体系別にしてない。ただ塊を飛ばすだけの魔法だから、転移や眠りとか便利な魔法と言う知識もない。まあ俺は魔法が使えないから、気にもしてなかった。


それから数日、神国との国境に近い村から逃げて来た連中に遭遇した。化け物が暴れている、と。俺たちは急いで現場に来たら、いました、勇者が。飯を食べてた。


「おおお、またデカくなった、のか?」


体長が8mを超えてそうだった。でも、ねー。あんまり大きくなると、動きが鈍くなると思うんだけど。


また勇者に逃げられた。今回は殺すつもりで対処したけど、手足を切っても切断できず、さっさと回復して逃げて行った。案の定、動きが鈍くライオン丸たちでさえ相手取ることが出来ていた。ただ、一撃で死ぬけど。


これが二つ目の後悔です。


どうすんの?厄介だなー、もうやめてもいい気がする。


勇者の痕跡を追って神国との国境に来た。勇者は神国へと逃げ込んだようだ。ここで問題が発生する。誰も神国に入れない。


獣人であるライオン丸たちは神国へ行く事は出来ない。神官は神国から逃げて来た身、本人はまだ認めてないが、なもんで神国で見つかると捕まるかもしれない。そして俺は、勇者を陥れた張本人と思われている。


決めた。諦める。


俺たちはさっさと公爵領に帰った。


そして三つ目の後悔です。


事件は無事?に終わった。勇者の結末はなんともお粗末な結果になる。


えーと、勇者は体長が15mを超えた時、自分で歩く事も出来なくなって餓死した。ーーーやっぱ受けるんじゃなかった……ポンコツは死ぬまでポンコツだった。


みんな事件が終わってほっとしているが、俺はすっきりしていない。いや勇者の事じゃないです。痕跡が消えたカラクリが気になってます。


俺は転移魔法しかないと思ってる。そうなると、この世界に無い知識を持つ者の存在が疑わしくなるけど、ポチが言うには、複数は存在しないと言う。


何百年、何千年かに転移して来る人間が居るみたいだ。隷属の魔法とか、中途半端なギルドの仕組みとか、数えればキリがないほど変なものが存在していた。それでも転移は知らない、と現地の人が言うんだから、納得するしかない。


そして俺は報酬をもらえなかった。


恨むぞ勇者っ!こんな世界は嫌いだ!






その後の話しです。


神国では政変が起きたようで、神の使いみたいにのさばっていた神官や猊下なんかは排除されたようです。そして神国の骨幹であった勇者の存在が抹消されました。


国のごたごたが終わるまで、誰も干渉しないようだ。


と、のじゃが言っていた。


俺はお金をくれないのじゃの話しに興味がなく、適当に相槌を打つだけでした。


そうそう、勇者の身体から魔核が沢山出てきた。1つは自分のだろうけど、他にも複数あって融合もしていた。とか。勇者の変異の原因はそれだろう、と言う話しで結論づけられる。


みんな簡単に言うけど、じゃあ誰の仕業なのか?まさか自分で埋め込むなんて出来ないと思うんだけど。


謎が謎を呼ぶ変な事件だった。


ライオン丸たちは国に帰って行った。猫たちも村を復興すると言って移動を始める。そして公爵は姉妹が旅立つのを見て涙している。いい加減諦めなさい。


俺ものじゃが帰るのに合わせて王都へ向かう。別に一緒じゃないから。

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