第2話 仲間
*第2話 仲間*
「きょう…夾様。起きてください。仲間が到着致しました。紹介します」
「と…到着?」
夾は布団から起き上がると、起しに来てくれた人に聞いた。
「はい。仲間は後3人います。さっき到着したのは2人ですね。皆さん、人界から来たようです。しかし、別々ところに落ちてしまったらしく…」
「そうなんですか」
(仲間か…昨日聞いてはいたけど…僕、仲間っていうか集団っていうの苦手なんだよね…)
夾は小さいときから集団というものが苦手だったため、友達などは少なかった。
「さて、着替えない…と?そうだった、あの服のまま寝たんだった」
「夾様、行きましょう」
急かすようにその人は言った。
「あっハイ」
夾達は長の居る部屋へと向かった。
「来たか、夾。仲間が待っておるぞ」
長の隣には3人の男女が立っていた。同い年くらいの男の子と女の子1人ずつ、そして2歳ほど下だと思われる男の子が1人だった。
「3人とも自己紹介をしたらどうだ?」
長が言うと、端に居た男の子から話し始めた。
「俺は布翠泉だ。小学5年」
「私は緋夜依鈴です。同じく小学5年生」
「僕は緋夜奏です。小学2年生です」
泉は背が高く、双剣を所持していた。依鈴はなにも持っておらず、奏は笛と思われるものを持っていた。
「あれ?依鈴さんと奏君は兄弟?」
夾は依鈴と奏の名字が同じ事に気づいた。
「そう。それと、私たちのことは呼び捨てでよんでね。泉…君だっけ?君も呼び捨てでいい?」
「あぁ」
泉は不機嫌そうな顔で答えた。
「あっ、俺は笹枝夾です。俺のことも呼び捨てでいいから」
「夾…ね」
泉が夾をあざ笑うかのように言った。
「なんだよ」
「別に」
「ちょっと、ちょっと。喧嘩しないでよ」
依鈴が止めに入った。
「まぁ落ち着け。お前達にはこれから旅に出てもらう。まず、王宮へ行ってくれ。王宮の竜に会うと野性の竜とまったく違うことに気づくはずだ」
長はそういったあと、横にある箱から卵を4つ取り出し夾たちに渡した。
「それはお前達の竜だ。いつ、どんなやつが生まれるか分からんが、必ずお前達の力になるはずだ」
「はぁ…」
「じゃぁ、村長さん!いってきます!」
元気よく依鈴は言った。
「ちょっと待てよ。俺らなにも準備してないんじゃないか?」
泉は淡々と言った。
「心配には及ばん。もう準備させておる」
長が指したところには、鞄がおかれていた。
「じゃぁ、行こうか?」
一様、一番初めにこの世界に落とされたであろう夾がその場を仕切っていた。
「出発ー!」
泉と夾をのぞく二人が声を上げた。
(大丈夫かな…このメンバー…)
夾はこのメンバーをまとめていけるのだろうかと不安になった。
「夾ー、泉ー!いくよー」
すでに依鈴たちは外に出ていた。
「はぁ…」
そう言って、夾はしぶしぶと走り出す。泉はいつのまにか外にいた。
「早くー!!」
「今行くって」
そうして4人の旅は始まった。
更新遅くなりました。続きは考え中なのでまた時間がかかりそうです。