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久しぶり~!元気にしてた?

「ふぅ・・・これで全部ですね」

荷台に荷物を全部積み終えて一息つくセリカにアンナは馬車に繋がれている馬をブラッシングしながらぼやく。

「もうちょっとお祭り楽しみたかったわね~」

「昨日たくさんお買い物で楽しんだでしょう?それにお祭りももう終盤ですし、最後まで留まると町を出て行く人と馬車で道が大渋滞になりますよ」



三日前の馬車を買ったあの日、冒険者ギルドに向かった二人が目にしたのは少ない依頼に群がる冒険者達であった。祭りで人が集まったせいというよりも、闘技大会で実力者が集ったことと、お祭りを楽しもうと資金作りに励む冒険者達によって依頼が次々と消化されてしまい、残った依頼と言えば、危険はないものの雀の涙程しか報酬が無い、所謂ローリスクローリターンの初心者向けのようなものしかなかった。依頼で稼ぐのは無理と判断した二人は予定を変えてスライム狩りを日中行い、翌日に再び化粧水を売り出し、ある程度の資金が用意できたところでルーマンの町を後にすることに決めたのだ。そして昨日、売上金をもとに武器を中心とした商品を仕入れ、たった今、ルーマンの町を発つ準備を終えたところだ。



「商人ギルドに借りてた屋台も返却しましたし、商品も十分に仕入れました。やり残した事が無ければ早速出発しますけどアーニャの準備は大丈夫ですか?」

「そうね~、昨日セリカが商品仕入れている間に個人的な買い物も終えたし、美味しいものも食べたし・・・準備オッケーよ。強いて言えば、私とセリカのたった2人で道中、賊やら魔物に襲われたらどうするのか疑問だけど」

「日が暮れる前には東の村に着きますし大丈夫でしょう!道中スライム群生地がありますが迂回して街道を通っていくつもりですしね!」








「『だから特に問題なく村に着きますよ!』って言っていたのはどこの誰かしらね」

丁度ルーマンの町と東の村の中間点に差し掛かろうとしたところで、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべた5人の男が馬車の進路を塞ぐように躍り出てきたのだ。アンナから向けられる睨む様な視線を無視しながらセリカはいつもの営業スマイルを男達に向ける。

「これはこれは皆さんお揃いで・・・何かご用件ですか?」

「はっ!用件だぁ?そんなもの決まっている!ここを通りたければ馬車の荷物を置いていくんだなぁ!!」

武器を構えながら脅しをかけてくるリーダーであろう男に思わず笑いがこぼれそうになるのを堪えながらセリカは御車台から降りてゆっくりと男達に近づく。すると男達の顔が微かに青ざめ始める。

「人の顔を覚えるのは商売の基本ですけど、盗人さんの基本でもないんですかね?」

「お、お前はあの時の!」「雷系最上級呪文の女!!」

セリカ達の前に現れた賊は、少し前にヨハネにボコボコにされ、セリカに殺されかけ(演技だが)、足を洗うことを条件にその場から解放された賊であった。

「おや、ちゃんと覚えてましたか。というか、まだこんな事してたんですか?ヨハネさんに知られたらミンチじゃ済みませんよ?」

「ミ、ミンチ・・・?・・・いや、待て!と、盗賊行為はしちゃいねぇさ!ただ交通料を取ろうとしているだけだからな!」

「そうだそうだ!」「リーダーの言うとおり俺達は交通料を取ろうとしているだけだ!」

ミンチと言う言葉にヨハネの圧倒的暴力を思い出したのか一瞬震え上がる賊達であったが、咄嗟に出た言い分に勢いづいたのか男が続けて言う。

「見たところあの騎士の女はいないようだな・・・お前がいくら強力な呪文を使えると言ってもそれだけ詠唱に時間がかかる。こっちは5人もいるんだ、大人しく荷物を差し出した方が身の為だぜ?」

ヨハネがいないことに気づき安心したのか再びニヤニヤと笑みを浮かべながら賊達が距離を詰め始めるとセリカも負けじとびっきりの笑顔を返した。

「フラグですか?」


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