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おっ買いっ物っ♪

出店が立ち並ぶ賑やかな表通りを見渡しながらアンナは歩いていた。


『明日はお店はお休みです!商品の在庫も心許ないですので作り溜めしないといけませんし、新商品を売り出すためのスライム狩りにも行きたいので!なのでアーニャはお祭り見て回ってて良いですよ~』


そうしてセリカは森にスライム狩りに、アンナは町に買い物に来ていた。買い物のついでにお使いも頼まれているのだが・・・


「ここね。屋台とは違って大きなお店ね~」

アンナはこの町で1,2を争う鍛冶屋に来ていた。冒険者ギルドとは5分も離れていないそのお店の中は武器や防具はもちろん鍋や鉈などの生活用品の金物も扱っているらしく、冒険者達だけではなく一般町民も商品を手に取っていた。キョロキョロとアンナが店を見ているとカウンターから1人の男が近づいてきた。

「おう!セリカ譲ちゃんの連れの踊り子ちゃんじゃねーか」

スキンヘッドの強面お兄さんことグレイだ。そう、ここはグレイの経営する鍛冶屋である。

「はいこれ。セリカからよ。出張費はサービスで金貨5枚です♪…だってさ」

目暗ましセットと火傷用の薬がいくつか入った袋を渡す。

「おおー飯の時に頼んでたやつか!いやぁ悪いな!こっちも稼ぎ時でなかなか手が離せなくてなぁ」

店の奥に戻ってから金貨を5枚手渡すグレイ。

「…はい、確かに5枚受け取ったわ。それじゃあね」

「なんだ?もういくのか?なんか見て行ったらどうだ?」

「今のところは必要ないから平気よ。この後色々買いだしあるしね~」

手をひらひらと振って店を後にするアンナの次の目的地は肉屋だ。腰につけているマジックポーチはただ容量のでかい鞄ではなく、時間の流れが遅く中の物が長持ちする。これにより日持ちする干し肉や野菜、携帯食料以外の食料も持ち運べるようになったからだ。


異空間収納魔法…転移魔法と同等の超上級魔法はよく分かんないけどすごいわねぇ……セリカはやたらウラシマ、ウラシマって言ってたけど何のことかさっぱりだわ…


そうこうしている内に肉屋にたどり着く。威勢の良い店員のおじさんがアンナに営業スマイルを向ける。

「いらっしゃい!新鮮なお肉が揃っているよ!」

「どーも。え~っと、チキンが――」





「こんなもんかしらね。にしても本当に便利ねコレ。重さも感じないし」

セリカに頼まれていたグレイへのお使い、その売上金を使った食料品等の買い物を済ませたアンナは相変わらず手ぶらだ。荷物は全て腰のマジックポーチに入っているが女性二人なら2,3週間は持つであろう食料が入っている。そしてここからは――


「お待ちかねのショッピングね!可愛いアクセとか美味しそうなスイーツの出店があったのよね~♪」

アンナの足取りは軽くスキップをするように出店周りを始めた。






「おかえりなさい。ずいぶん早かったですね」

「それはこっちの台詞よ。夜までかかるかも~って言ってたじゃない」

夕暮れ時、ショッピングを一通り楽しんだアンナが裏通りのセリカの屋台に戻るとすでにセリカがおり、何やらフラスコを火にかけて作業をしていた。

「偶然にもスライム狩りをしていた面白い方がいましてね、買い取ったんですよ。おかげで時間が省けて助かりました!」

そう言ってセリカは半ゼリー状の透明な液体が入った瓶をアンナに渡す。

「な~に?これは」

「コラー…じゃなかった。スラーゲン配合の化粧水ですよ♪これはアーニャの分です」

「前に言ってたやつね。スラーゲンにこんな使い道があるなんて知らなかったけど、スラーゲンが入っている意味は?」

「主に肌のツヤ、ハリなんかに効果があるとされています」

「初めて聞いたけど…それ本当?」

「一応は!半分くらいは!……というか、ぶっちゃけ化粧品なんてあくまで効果があるかも~っていうのがほとんどですよ」

黒い顔でボソッとつぶやいた言葉は聞こえなかった事にしてとりあえずは瓶を受け取るアンナ。

「試供品ってことでタダで良いわよね?」

「初めからそのつもりですよ。私を何だと思っているんです?」

念のために無料かどうか聞くと少しムッとするセリカ。


「守銭奴でしょ?」

「まっ!この娘ったら!」

「あはは!冗談よ!あ、お土産あるんだけど食べる?新商品のストロベリーダイフク…?だってさ」

そういってアンナはマジックポーチから取り出したのは小包に覆われた大福餅。それを目にしたセリカの目の色は変わる。アンナはそれに気づかずに自分の分を口にする。

「…これをどこで?」

「こことは逆の第3裏通りと表通りの境目近くの店よ。ん~美味しい♪モチモチとした食感に、ほど良い酸味♪並んだ甲斐があったわね~」

「第3裏通りってことは教会近くの裏通りでしたっけ?ふむ…」

「妙な格好をした人から買い取ったお菓子を再現、アレンジしたんだってさ」

思案顔ででもどこか嬉しそうな顔で大福餅を見つめるセリカ。

「妙な格好、ね。…ふふ♪もしかすると、もしかするかもしれませんね♪………時にアーニャは大学って知ってます?」

「大学……??………あー、上級学院のこと?お金持ちの貴族様やらが通う学園の最高峰でしょ」

「そう、田舎育ちには無縁の場所、ですよね~。まして主に魔法を教える学校のなんて…」

「???」


セリカは頬張ったストロベリーダイフクを心底美味しそうに食べた。


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