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53/63

難易度:ハード

ローマ字表記が少しおかしかったので訂正しました。内容に変更はありません(8/27)

地獄の沙汰も金次第、何をするにしてもお金が必要だ。財布の中の日本円はこちらの世界では使えない。ケイはお菓子を扱っている屋台を見つけ持ち物を売る事にした。


「いらっしゃい。この辺じゃ見ない珍しい格好をしているようだけど、遠い国の人かい?」

「ええ、まぁ……ところでここで買取ってしてますか?この辺じゃあまり手に入らないものがあるんですけど」

もったいぶる様にショルダーバックに入れっぱなしだった箱詰めの和菓子を取り出して見せる。

「ほぉ…確かに見たことの無い菓子だ」

箱の中には黒の斑点のある白の球体が所狭しと12個ほど並んでいる。商人は目を細め顎を撫でる。

「これはイチゴ大福と言って大福餅に餡子とイチゴが入っており、食べればそれはそれはほっぺたが落ちそうなお菓子でして…まぁ食べてみれば分かると思いますけどいかがです?そうですね…銀貨5枚でどうでしょう?」


ガイドブックにある通りなら銀貨1枚で千円相当のはずだ。買った値段を考えればぼったくりであるが

珍しさを考慮すれば大丈夫だろう。


「いいお値段で…しかし食べてみない事には…」

「では、お1つ試食でどうぞ」

イチゴ大福を取り出し商人に渡す。重さを確かめ回すように眺めて匂いを嗅ぎ、イチゴ大福を口に入れた商人の目がカッと開く。

「これは…モチモチとした食感にくどくない甘さ!そしてイチゴから溢れるほど良い酸味が織り成すハーモニー!!どこで手に入れたんですか?!?!」

「それは…言えないですけどどうですか?今なら…」

「分かりました!1つ銀貨5枚で!試食分含めて計金貨6枚払いましょう!!」

「えっっ!?!?」


銀貨4枚に値下げしようとしたら即決で決まってしまった。しかも箱1つで銀貨5枚のつもりだったが商人はイチゴ大福1つで銀貨5枚と思ったらしい。


「あの、大丈夫ですか?そんな大金…」

「フェスティバル期間始めにこんな珍くて美味しいお菓子を買えるのなら惜しくないですよ!…ふふふ、これを参考に新たなお菓子を…そしてこの期間に売り出せば…ふふふ…」


商人も満足気な顔をしているようなので金貨6枚を受け取り、箱ごとイチゴ大福を渡す。



金貨6枚…すげぇな…イチゴ大福…



旅に必要そうな物を買い揃えていくうちに自分の持っているショルダーバックがこの世界で言うマジックバック化している事に気づいた。理屈は分からないが容量がとても多くなっており、食料や衣服などを全て入れることが出来た。身分証明の為に冒険者ギルドに登録もした。あのルイとか言う男が名前を利用した魔法を使ってきたので偽名での登録だ。


あの時の魔法は苗字だけしか名乗ってなかったから逃れる事が出来たっぽいからなぁ…


ギルド証に記されたソルトという名をみて苦笑する。佐藤=砂糖…シュガー…と連想して行き着いた名前だ。安直だが変に凝った名前だと名乗る時に恥ずかしいし丁度いいだろう。


さて、残りは金貨2枚も無いほど…あと必要なのは魔物出るらしいし、武器と防具と……っっ!?


買い物をしていて気づかなかったが空が白みだす暁、ふと目に入った町の広場の掲示板に手配書が張り出されており――



   WANTED

~DEAD OR ALIVE~

   SATO


この者、教会にて寄付金及び聖物を盗み聖職者に暴挙を働く。

捕らえた者には教会より金一封。



俺、指名手配されてるじゃん……


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