ま、余裕っしょ!
40話目になりました!相変わらず不定期更新ですがよろしくお願いします。
『それでは次の対戦相手を紹介しよう!変幻自在の武器使いゴメス!そして、魔女ドロシーだ!呼ばれた選手は試合場に来てくれ!』
パンチの次の試合アナウンスを背に控え室へ戻るセリカにイサクが駆け寄ってきた。
「セリカ…といったな。見事な腕前だった。まさか初戦で負けるとは思わなかったよ」
「いえいえ~試合じゃなかったら私が負けてましたよ。実際リングアウトのルールが無ければイサクさん程の実力者に勝てたかどうか…」
「謙遜するな。始めの縮地の見切り、その刀の使い方…最後の目くらましは実に見事だった……ところで、あの目くらましの術式を丸玉に込めたというのは?」
「ああ、私、商品開発が趣味でして…今回は普通に魔法を使いましたけど本来は魔法道具として作ったんですよ」
そういってポーチからビー玉より一回り大きい黒い玉を取り出す。
「これがあの光と音を出すのか?」
「はい♪衝撃を加えれば発動しますよ」
「ほぉ……明日から発売だったな。その時にいくつか買わせてもらおう」
「毎度どうもです♪」
「おう、譲ちゃん。まさかあのイサクに勝つなんてやるじゃねぇか」
控え室に戻ると強面お兄さんが話しかけてきた。控え室には試合場を魔法で映したスクリーンのようなものがあり、それで試合を見ていたのであろう。
「いやぁまぐれですよ~」
「ははは!まぐれね!まぁそれでも勝ちは勝ちさ!っと次の試合もなかなか見物だからな譲ちゃんも見といた方がいいぜ」
『では、両者共に準備はいいな?…始め!!』
パンチの開戦の合図に会場は一気に盛り上がる。ゴメスは投斧と剣を取り出しながらにやりと笑う。
「俺はありとあらゆる状況に対応できるよう武器という武器を使いこなせるようにした。お前のような魔法使いは詠唱時に隙が生まれ、すばやい接近戦に不得手。この勝負、貰った!!」
ゴメスが投斧をドロシーに投げながら距離を詰め始めた。
「確かに魔法使いってそういうの多いよねー。でもさぁありとあらゆる状況に対応できるってのは魔法もだし、詠唱しないでパパーッと撃っちゃえばいいじゃん?」
三角帽の下から笑顔を見せ、杖を振り上げるとドロシーの周りに曼荼羅を想起させる多数の魔法陣が現れる。
「む、無詠唱呪文…だが、それは魔力を大量に使う上に威力も…」
「それは試してみたら分かるっしょ?」
魔法陣から大量の火炎球が放出される。何発かはゴメスの投げた投斧を打ち落とし相殺されたが放たれた数が違う。火炎級がゴメスに襲い掛かる。
「ちっ…!『来たれ水精! 我に取り巻きこの身を守れ!! 水障壁!!』」
ゴメスの周りを渦巻くように水の壁が現れ火炎球を遮断する。
「へぇー水の壁か。んじゃあこんなのどう?」
火炎球を出し続ける魔法陣の約半分の数がその魔法陣の形を変え、新たに電撃が放出されだした。
「火魔法と雷魔法の同時発動だとっ!?!?」
ゴメスに襲い掛からんとする大量の火炎球と電撃の嵐。水障壁は火炎球を防ぐことは出来るが……
「参った!!俺の負けだ!!!!」
「えぇーマジ?…こっからがいい所なのに」
すんでのところで放出を止める火炎球と電撃。
『ゴメスのリタイア宣言!勝者はドロシィィィイイイイ!!』
――ワアァァァァァァァァァァァ!!――
ドロシーによる大量の魔法放出は会場を大きく盛り上げた。セリカの試合の時よりはるかに大きい大歓声の嵐が魔法に代わり会場を包む。その歓声の中心でドロシーはふふんと鼻を鳴らし、ピースサインをする。
「いえーい♪」




