掘り出し物
今回は短いです。
「今晩はこの町で一泊致します。明朝7時に出発いたしまして、夜には首都ルーマンに着く予定ですので今晩はごゆっくりお休みくださいませ」
無事に町に着き、御者の青年と別れるとアンナは宿屋を探す。
「全く…セリカったら町に着くなりどっか行っちゃうんだから……っと、ここね」
小さな町なので宿屋もそれほど大きくない。それでも野宿をするよりは、はるかにマシだ。扉を開けて中に入ると既にセリカが受付を済ませ部屋の鍵を受け取っていた。
「あら?遅かったですね。どこで寄り道してたんです?」
「…色々と言いたい事はあるんだけど、何?転移魔法でも使っているわけ?」
「商人には神出鬼没のスキルがあるんですよ」
宿代を浮かすためにセリカとアンナは相部屋に泊まる。部屋に着くなりアンナはセリカの持っていた武器を見る。
「それ、どうしたの?」
「これですか?ジャンク屋に行ってオークから鹵獲した武器全部と交換したんですよ」
鞘から抜いてみせたその剣は片側にしか刃がなく、反りのついた構造をしている。
「変わった武器ね…」
「確かにこの辺りじゃ見ない武器ですね。『刀』っていうんですけど、東にある小さな島国でよく使われている武器ですよ」
「ふ~ん…でもこれ、さすがジャンク品ね。不良品じゃない。刀身に穴が開いているわ」
アンナは刀身に小さな半月状の穴がいくつか開いているのを指差しながら言うが、セリカは相変わらず笑っている。
「ジャンク屋の店主もそうでしたけど見る目がないですね~。私も詳しくは調べてないですけどこれ、かなりの掘り出し物ですよ?こうして、刀身に魔力を込めて…」
セリカが刀に魔力を込め始めるとうっすらと刀身が光りだしその身に水を纏いだす。そのまま軽く振ると水の塊がアンナの顔に直撃する。
「わっぷ!!」
「とまあ、こんな感じで魔力を込めて使えばこの穴から魔弾となって放出されるんですよ。込める魔力属性によって魔弾の属性も変わるんで使い勝手いいですよ♪」
「…ちょっと私にもやらせて」
「いいですよ~」
セリカから刀を受け取るとアンナも同じように魔力を込めて軽く振る。そしてセリカの顔面に水の塊が直撃する。
「本当だ。すごく使いやすいわね!無詠唱で魔弾を使えるって事じゃない!」
「…でしょう?ここまで使い勝手が良いと売らずに自分で使うのもありかもしれませんね」
「セリカって武器使えるの?」
「自分で扱えないものを売買しませんよ。剣、槍、斧に弓矢…武器全種一応は使えますよ。本職の方には適いませんけど」
「……さっき自分は戦えないって言ってたわよね?」
「さ、明日も早いですし夕飯食べてさっさと寝ましょう!その前に髪を乾かさないといけませんね~」
私事で申し訳ありませんが、学業等の関係で少々更新が少なくなると思います。




