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皇女エルザその2

前回とシーンが変わらないのでその2となります。

「そのお願いは聞けません。この魔法は我が皇族一族に伝わる神秘…門外不出のものなのですよ」

エルザはまたこの頼みかといったような呆れ気味な顔をしている。恐らくいろんな人からこの魔法を教えて欲しいと頼まれ続けたのだろう。

「そうですか……でも薬のいくつかは無料で差し上げますね。今後も良い付き合いをという事で♪」

リュックから作成済みの薬を十数種類取り出し順に並べる。瓶詰めされた液状の薬は無色の物からどす黒いものまで様々な色をしている。

「外傷用と解毒用をいくつかご用意させていただきます。誰でも使用しやすいように液状のものです!使用上の注意をよく読んでから用途に応じてご使用くださいね。使用期限の切れた物はくれぐれも使わないようにお願いいたします」

分類的には第2類医薬品と同程度の薬効を持つ薬を使用法を書いた紙と一緒に近くの兵士に渡す。

わざわざ液状の物を提供したのは表向きはこの世界でみんなが使い慣れているからですが、本当のところは単に荷物が嵩張っていたからだ。差し詰め体のよい在庫処分である。

怪しげな色をする薬を渡された兵士は訝しげな表情をしながらも薬を持って退室する。大方、城のお抱え医師だか薬師にでも薬の検査、あるいは増産でもさせるのだろう。


「…それでですね。もしよろしかったらエルザ様の神秘をお見せしていただけないでしょうか?是非ともエルザ様の美しく成長したお姿を拝見したいのですが…」

もみ手をしながらエルザに頼み込むセリカ。

エルザは少し思案して答える。


「…本来ならそれも断っていますが今回は特例としましょう」

あれだけの種類の薬を提供してもらった手前無下には出来ませんね。それに…


「本当ですか!?ありがとうございます!!」

やりました!これで無料配布した薬の損失を考慮に入れてもお釣りがでます♪あとは…



「では、あなたと同年齢くらいで良いですね?」

「はい、お願いいたします!」

エルザが玉座から立ち上がり指をパチンと鳴らすとエルザの周囲を囲うように魔方陣が現れる。

同時にセリカは周囲にバレない様に静かに左手に魔力を込める。


「『年齢詐称(バニティ)』」

今です!『術式開放…復号魔法(ディコード)!』


エルザが魔法陣から発せられる光に包まれると同時にセリカも封印していた遅延魔法を開放させる。



光が収まるとエルザの姿は先ほどまでのツルッペタッストンッの三拍子とは打って変わってボンッキュッボンッのナイスバディなお姉さんになっていた。着ていた服はギチギチとエルザの身体に食い込んでいたがその豊満な身体を包み込めるはずもなくすぐに弾け跳んだ。

「あら?しばらく子供の姿をしていたので忘れていました」

再び指を鳴らし、現れた魔法陣から服を取り出し着直す。

「さ、流石は愛と美の国の(フラワ国)皇女様……私が吟遊詩人なら今すぐこの美しさを世界中に唄っています…ただ残念なのがこの美しさを表現する言葉が見つからない事です…」

セリカは驚愕した。子供の姿の時点でエルザ皇女の美しさは一級品であった。それが年頃の娘の姿になり女性らしくなったその姿はまさに美を体現したといっても過言ではないだろう。


しばらく見惚れているとエルザがジト目で見ていることに気づいた。


「…ジト目もお美しいですね」

危ない危ないこのままトリップするところでしたよ


「それはどうも。ところであなた……」

「な、なんでしょう?」

さっきの復号魔法がバレた?いえ、バレたとしても証拠もないですし最悪…




「ずいぶんと胸が小さいのね」



「は?」

ふと自分の胸に視線を下ろす。なるほど。言われて見ればこの国の女性よりは控えめといっていいだろう。

「我が国には豊胸にいい食べ物がたくさんあるのでぜひ堪能していってください」

「……はい」

ちょっとヨハネさん、なに笑っているんですか。あなたほとんど空気だったくせに。


行き場のないやるせない気持ちを片膝をつき頭を垂れながらも笑いを堪えてプルプル震えているヨハネにぶつけるセリカであった。


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