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意外な人物

20話目です!よろしくお願いいたします!!

ガタガタと不規則に揺れる馬車の中でコックリコックリと一定のリズムで舟を漕ぐヨハネ。盗賊達を逃がした後、火の番をそのまま押し付けたのだからヨハネはほとんど眠れていないはずだ。朝食時に、睡眠バッチリの私に文句を言いながらも眠気を堪えている様子もなく普段どおりにしていた為、気になって眠くないのか聞いたところ「2~3日の徹夜程度問題な…いや、朝飯前だな!」と笑っていたが、何の障害もなく進む馬車の中では襲い来る眠気には勝てなかったのだろう。

「魔物、盗賊の影はなし。お天気にも恵まれて絶好のお昼寝日和ですからねぇ」

ふわぁ…と欠伸をしながら荷物から薬草を数種取り出す。こういった移動時間に商品の開発、補充をするなんてマメな商人ですよねぇと自画自賛しながらゴリゴリと薬草をすり潰した。



「通行許可証を出してください」

太陽が真上に昇るお昼時、フワラ国との国境に到着すると国境警備隊の兵士に呼び止められる。そう、検問である。

「はい、確認しました。通っていいですよ」

御者のお兄さんが通行許可証を出すとすんなりと入国を許可された。その事に疑問を持ったセリカはキャビンから御車台に顔を出す。

「あの~ちょっと聞いていいですか?」

「はい、どうしました?」

「こういう国境って普通キャビンの中確認しませんか?」

「あぁ!その事ですか!」

お兄さんが懐から商人ギルドカードを取り出す。

「実は僕、上流階級御用達ってやつなんですよ」

「なるほど、そういうことでしたか。確かにこのカード、何か特別な印が押されていますね」

カードの顔写真の部分に薄紫の印が押されている。これはセリカの持つカードにはないものだ。

「キャビンの中は一兵士が見れないものが入っているとしていますからね。確認される事はないですよ」

「でもそれって密輸、密入国、なんでもし放題じゃないですか?」

「それはあなたも分かるんじゃないですか?」

「『信用』ですか?」

商人にとって『信用』という言葉ほど重い物はない。失えば取り戻す事はとても難しく、完全に失った瞬間に待っているのは破滅への特急券だ。

「ええ。それに僕らのような者の居場所は各国に常に分かるようになっていますからね」

カードの印を指しながらニコリと笑う。なるほど、確かにただの印ではないようだ。

「ただの個人運送屋だと思っていたので意外です」

「ははは!普段はそうですよ?最も普段から個人運送屋を使う人なんて限られていますけどね」

笑いながら話すお兄さんの話を1つ勉強になったとかみ締めながら聞くセリカであった。



「この人とのパイプができれば……ぐふふっ」

「セリカさん、声に出てますよ…」


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