待て待て
僕は目を覚ました。
ん?覚ました??
思い出す。
そうだ。
僕は車に轢かれて……
しんだ…?はずじゃ…。
で?なんで?こんな場所にいるんだ?
目を覚ますと、まるで、お姫様が寝そうな豪華なベットで寝ていた。
天井がキラキラしていて、ふかふかしていて気持ちいい。
まさか、僕がお姫様〜!?という展開でもないだろうし。
何ゲーだこれ。誰に需要があるんだという展開だ。うん。
と思いつつ、息子があることをしっかりと確認した。
僕は確信する。
僕は男だ。
ふざけたことは置いておいて、服装もそのままだ。
ということは、僕は生きてる?!
でも、ここ病院ではないよな…。
誰かの家??
と思っていると誰かが顔を覗き込んできた。
笑顔がとても可愛い女の子だ。
しかし、そんな彼女に違和感を感じた。
何故ならば彼女には、
真っ黒な翼が生えていた。
しかも、メイド服だ。
どうやら僕は、メイド喫茶にでも入り込んでしまったのだろうか。
いや、ハロウィンだったかな?あれ?季節?
僕どれだけ、寝ていたのだろうか。
そんな考えがぐるぐると回る。
?「△△△△△△!!」
そして、彼女は、どこかの言語を喋り、誰かを呼ぶように誰かの元へ走っていってしまった。
部屋にひとり取り残された僕。
そういえばと、あの時痛かった部分を触る。
事故の時の痛みはまるでどこかへ消え去ってしまったように、傷もなにもかもなくなっていた。
状況が把握できない僕は、スマホがポケットの中に入っていることに気づいた。
なんとか、スマホの電源がつく。
圏外。
しかし、時間も日付もしっかりと動いていた。
今は12:30か。僕が車に轢かれてから、日付を見ると、丸1日寝ていたということになる。
と冷静に考えていると、誰かが部屋に入ってきた。
今度は…すごい威圧感がある男だ。
彼が入ってきた瞬間に、場が本当にピリッとした。
僕も鳥肌が立った。
色々突っ込みたい所があるが、まさに、RPGの魔王って感じの見た目をしている。
しかし……角がきれいに生えてるな……すごいな最近のコスプレは見ないうちに、こんなにリアルに…。
と思っていると話しかけられた。
?「起きたか。お前に話がある。聞け。」
そう言うと、彼は、周りにいる人に、外へいけと合図をした。
?「俺は、魔王だ。お前を呼び出したのは他でもない。俺が休みを取りた…ゴホン…俺の体力が戻るまでの1年間、お前に魔王になってもらう」
は?!何言ってんだコイツ…。何も読み込めなかった。あと…いま、確実に休みたいつったよな。こいつ。なにこれ。ゲーム?そういう感じのやつ?
と思っていると、魔王と言うやつが口を開いた。
魔「驚くのも無理はない。魔導師頼んで、能力のあるやつをこの世界に呼んだのだからな。」
「ココ最近、勇者がまた現れたらしい。こないだの勇者のせいで仲間もかなり減っちゃったからな、仲間も新たに増やして欲しい。」
「それから、お前は向こうの世界ではクルマニヒカレタことにしてある」
「1年間がタイムリミットだ。1年間で勇者を倒して、ここを征服しなくては、お前はここでも向こうの世界でも死を迎える。そういう呪いを付けてある。」
「信じられぬという顔をしておるなハハッ…。」
「とにかく頼むぞ。お前を今から、わしの姿に変えるからな。何かわからないことがあれば、外にいる老人に聞け。」
そう言うと魔王は何かを唱え、現実よく分からないまま、僕は魔王になった。
そして、唱えた魔王はというと、話が終わると、大きなキャリーバッグを持って、飛んでいった。