頑張れ僕。
僕は、家に帰ってからひたすらにゲーム。
土日は一歩も家から出ずにゲーム。
と、とにかくゲームしかしない生活を続けていた。
昔はそんなんじゃなかったんだが。
考えてみればこの生活が一番楽しい気がする。楽だ。
そう、ゲームならば、何度死んだってやり直せる。
例え、現実ではルートを間違えてたとしても。
ゲームならば、自分に痛みはこない。
例え、現実では何度殴られたとしても。
ゲームならば、自分にとって思い出したくないことを誰も触れてこない。
例え、現実では苦しみに追われようとも。
ゲームならば、ヒロインに好きになってもらえる。
例え、現実では誰からも愛されていなくなっても。
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僕は、夜ご飯と、数日分の食料そして、好きなマンガの発売日だからという理由で、コンビニへ出かけることにした。
いつもそうだが、家を出る度に決心しなくては出ていくことが出来ない。
昔の知り合いに会うのが怖いのもあるが、もしタイミング良く隣の家のドアが開いたらと思うと…怖い。
警戒していた。
警戒していたはずなのに。
警戒をする方向を今思えば間違っていた。
車が、走ってきた。
広い歩道に突っ込んできたの方が正解だろうか。
夜だったから、僕しか道にはいなかった。
そのとき時間が止まったかのようにゆっくりと車が近づいてきた。スローモーションのように。
見えた、運転手は確実に酔っていた。
僕はただ立ち尽くすことしか出来なかった。
こうして僕は車に轢かれた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い
今まで体験したことのないほどの痛みだ。
赤いものが…血が血が流れている。
誰の血?いや、僕の血か?
ハハッと僕はうっすらと笑う。
僕がやってきた事の罪悪感。それがやっと無くなる。
もう、あの出来事を思い出し、そして苦しむことがなくなる。
あぁ…これで最後だ。
なんか思えば、僕の人生あっという間だったなと思う。
僕はこうして目を閉じた。
今思えば、これが、最悪の始まりだった。