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ロシアはマイナス10度らしい

慣れない作風ですががんばっていきたいと思います、どうぞよろしくおねがいしますm(_ _)m

「どーぶれおーたら!」


「話せもしないロシア語を喋るな」


朝からチャイムも鳴らさずにドアの前から甲高い声で起こしてくるのは1人しかいない。


「近所迷惑だからやめろってシロ」


「あいむそーりー!」


「覚えたての英語を話すのもやめろ」


無駄に綺麗な銀色の髪を揺らしながらしょぼくれる。


「あとドアを閉めろ、寒い」


「え〜、ロシアの方が寒いよ〜」

ついやってしまった、こいつは何かとロシアの寒さを主張したがる。まあそれさえ気にしなければ本当にかわいいんだけども。


「確かにロシアの方が寒いけど今でも俺は寒い」


「うんうん、ロシアは寒いよね〜」


満足そうに頷きながらドアを閉める、そして何故か部屋に上がり込む。


「おいシロ、何で俺の部屋に上がる」


「もークロは冷たいよ!ロシアよりずっと冷たいのだ!」


「クロじゃなくて黒沢」


仕方ないので気にせずに着替え始める。慣れたことだが目を逸らすフリをして冷蔵庫の中を漁って牛乳を飲む。無論電子レンジで温めてから。


「…明日から温めて置いておこうか」


「ダメ!目を逸らせなくなる!!」


「ふーん」


はっきり言ってそこまで興味がなかった。


〜学校〜

「シロ、そこは俺の席」


「クロの席は私の席でもある!」


まあ、これもいつものことなんだけども。


「ロシアに送り返すぞ」


「冷たいよ!その上寒いよ!ロシアは寒いんだから!」


「うん、知ってる」


そんな問答を繰り返すが何故かチャイムが鳴ると気だるそうに席に戻る。俺が席を差し出してもそっぽを向くのはどういうことだろうか。


「えー、今日の最低気温は0度を下回るそうですので」


「先生!ロシアはマイナス20度なのですよ!!」


教師の話を遮ってまで言うことなのか。


「…というわけなので気をつけて下さい」


教師のスルースキルには感服する。おそらく俺ならシベリア送りにしていた。


〜昼休み〜

「クロ!私は怒ってる!」


「黒沢な」


なんでわざわざクロと呼ぶのだろうか、この問答が時間の無駄だっていうのに。


「英語の授業で私が間違えた時に盛大に吹き出したことを私は怒ってる!!」


「I live in Edo.は流石に古典的すぎる」


まさかあんな時代遅れの珍回答を繰り出すとは思わなかった。それは思わず吹き出すのも無理がないというものだ。


「くぅ〜…ナポレオンの刑に処したい…」


「そんな刑罰はないしさらっと怖いことを言うな、白い死神にはお世話になりたくない」


「三途の川も凍っちゃうね!」


凍った場合は渡るのが楽になっていいんじゃないかとかどうでもいいことを思うけどやっぱり本当にどうでもよかった。


「クロはうどん派!ということで私はパンを食べる!」


「ごめん、何がどうなってパンになるのか教えてほしい」


支離滅裂にも程がある。これには流石に苦肉の表情を隠しきれない。


「そりゃあ、ロシアじゃ米は取れないからね!パンが主食なのだ!」


「お前に筋を求めた俺が馬鹿だったからこれ以上混乱させないでくれ」


「やっぱり私の方が頭がいいんだね!」


流石にお前程ではないと言いたいところだけどグッと堪える、これ以上は頭がオーバーヒートする。


「クロ!列が長いからじゃんけんで負けた方が並んで勝った方が席を取るのを提案するよ!」


「お前はロシア式じゃんけんとか抜かして俺の頭を叩くから却下」


テレビでもないのに一々叩かれるのは御免だった。仕方がない。


「前は俺が並んだから今日はシロが並べ」


「ジュース1本で勘弁してやろう!」


「アホか」


頭を叩いて並ばせるけど、この後結局ジュースを奢ったのは言うまでもないと思う。


〜Fine


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