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気分はもう冒険者  作者: 祭久陽
プロローグ
1/2

あの大陸、その王国、この男

「………本日のトルワカン王国の天候…況…は次の通……です」

昨日修理を施したはずのラジオの調子が良くない。魔導電池も先日入荷されたばかりの新型を入れたばかりだ。

ラジオの持ち主であるこの男、ユリアス・カルデナスは起き上がり後頭部の髪を掻くと

「うーん…やっぱりコイルが切れちまったのかな。まいったなぁ…」といい、「仕方ねえ、そのうち治ってくれるさ」

そういうとユリアスは再び昼寝の体勢に入り、部屋には先ほどの緩やかな時間が戻ってきたのである。


‐‐‐アレウス歴4391年。この世界と魔法学の中心地であるグランドラ大陸を覆った長い戦乱は終わりをつげ、再び人々に安息が訪れた時代。

しかし、疲弊したグランドラ大陸は特に力を持つ4人の王により勢力圏の奪い合いが勃発。

時には政略結婚、時には小国への人質の要求、時には抵抗する諸侯の暗殺、そして戦争…

最後にはほとんどの小国がそれぞれの陣営に加盟し、4つの連邦王国が形成されたのである。


しかし、そんな熾烈な覇権争いはあくまでグランドラ大陸だけであり、それぞれの大陸に属する国家はどこ吹く風、復興に明け暮れるグランドラ大陸諸国を尻目に日々平和を享受していた。

南方大陸中部に存在するここ、トルワカン王国もその一つであった。しかし連綿と続く王国だったわけではない。まだユリアスが生まれる以前、当時の王家を追放若しくは処刑し、思うままに支配していた者達を打倒するために革命・内戦が勃発。多大な犠牲を払ったものの反乱軍が勝利した。

そして隣国に退避していた王家の生き残りを迎え入れ、王政復古を成し遂げたのである。


「うーん……眠れねえ。今何時なんだ?」

ユリアスはベッドのそばにある魔力で作動する時計に目を向けると、長針は5時を指している。外に目を向けると陽がすでに落ちかけていた。


ユリアスは「んんん……ふう」と欠伸をすると「寝ることはできないのに時間だけは流れやがる」といい、階段を下りて行った。


この男、ユリアス・カルデナス。この小さな港町・エルナンの海沿いにぽつんとたつ食堂「ハチドリ」を切り盛りする女店主の一人息子。父は前述の内戦で行方不明。

一見無気力な青年に見えるが、生まれた時から一人で育ててくれた母・カミラへの愛は本物である。

…多分。







初めまして、祭久陽という者です。

初めての小説でお見苦しいところも多々ありますでしょうが、最後まで見て下されば幸いです。

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