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港区の酒場  作者: ranpe
喫茶店
5/20

【喫茶店】花

「いらっしゃいませ」「にゃー」(らっさーい)

「マスター、ハニートーストとレインラインで」

「畏まりました」


お昼のこの時間でも少数ながらの学生さんがいらっしゃっています

その中でも昔から来ていただいている馴染みの客とも言えるお客様についてのお話です。

その方は200年前から私の御店に通われていてほかの常連の方々からは「店の唯一の花」とも呼ばれています。

あの方が花だとしたらフウさんは蜜だと思うのは私だけでしょうか?

ともかく昔ながらのお客様なのです。


「しかしマスターのところの花はいつみてもお綺麗ですね」

「この前後ろから抱かせて頂いた時はいい香りをされていましたよ」

「私も抱かせてもらおうかしら…」

学生の間ではこんな会話が日常的にあるような、ないような…。


噂の人物は漁を行っている者たちも見るのは珍しいと言われる人物で名を「セイレーン」と言う。

彼女は澄んだ青色の髪をし、瞳はブルーサファイア、シミ一つ無いその体には鱗があるらしいが服で隠されているため見えることはない。

陸に上がっている時は尾も見えることなく二本の足を出し苦しげもなく椅子に座っている。


肌に限っては青白く極端に色素が少ないので遠目で見たら蜃気楼か何かに見えてしまうほどの色素しかない。

エラはあるが陸上ではあまり見られず肺呼吸していることが分かる。


そんな彼女が好むのが私が作るハニートーストとフウさんを撫でることだ。

彼女は海の民のため陸上に上がることはない。しかもセイレーンの王女のために、尚更陸に上がることはない。しかし幼少期に御忍びで私の御店に来てから彼女は毎日私の店に来るようになった。


そんな中で一番最初に出した物がハニートーストだったのだが初めの甘味に舌鼓した彼女は毎日私の店に来るとハニートーストを頼むのが定番になった。200年物の間の慣れはもはや習慣となり今に根付いている。


色恋沙汰に縁がない私でもわかるように彼女は美人だ。しかも飲食してるところはもはや芸術の域に達していて、それでかつ彼女が頬を緩めるとどよめきが出るほどなのだ。


そんな彼女に毎日料理を作るのも悪い気分ではない。フウさんも今では彼女に一日1回でも撫でられないことなど考えられないであろう。


そんな私は今日もテーブルの前に立ちこう言うのです。


「お待たせしました、ハニートーストです」


そんな言葉に今日も彼女は笑うのです。




12/4 18:00次話予定

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