【喫茶店】一見さん
「いらっしゃいませ」「にゃー」(いらしゃーい)
「ここの喫茶店は初めてなんだけどいいかしら?」
「構いませんよ、お好きな席に座ってください」
女性が席に着いたのを確認し、お冷を運んだ。
「何にいたしましょうか?」
女性は少し困ったように私に聞いた。
「町の人からほとんどの飲み物や食べ物があると聞いたのだけれどパイっていうお菓子はあるかしら?」
「パイですか…パイにもいろいろな種類がございますがどのようなパイがご希望ですか?」
「だったらレーズンパイを頼めないかしら?」
「畏まりました。少しお時間頂きますが宜しいですか?」
「ええ、そのために私はここに来たからね、待つよ」
「ではお待ちしていただいている間少し撮める物を用意します。こちらはサービスですので」
「フウさん桜のサブレをお客様にお出しして下さい」
撮みのサブレをフウさんに任せ、地下の冷蔵室からパイ生地を持ってきてレーズンを足す。
一見さんが来ても困らないようにとお菓子の下拵えに関しては多種多様な在庫があったため今回助かった。
「うぅ…寒いぃ…」
「お客様お待たせしました、こちらがご注文のレーズンパイです」
私はテーブルにそっと置きテーブルから離れる。
ティーカップを拭きながら横目で美味しそうに食べている女性を見るとホッとする。
フゥさんのご機嫌を取りつつカウンターの裏で桜のサブレを頬張る。
うむ、うまい。
「マスター今日はありがとう」
「いえいえ、お粗末様でした」




