ごまめんーマァムの眷属達
マァムには5人の眷属がいた。
ごまめん、5色の騎士とも呼ばれる。
一人はハウト。清潔感溢れる髪質に赤い貴族服を羽織っている。
服装からも清潔感が漂う青年。
常に礼儀正しい。
欠点を挙げるとすると天然なところがあると言うところか…。
とある日ハウトはマァムに聞いた。
「どうもごまめんには纏まりが無いように感じるのだ。これではリーダーの俺としては危機感を禁じ得ない。どうしたら良いかアドバイスしてくれないか?」
とハウトはマァムに訊いてきた。
「そうね、カノさんを参考にしてみたら良いんじゃ無いかしら?」
カノとはごまめんの1人で色白で肌の綺麗な美青年だが長身で筋肉質。しかしその筋肉質に似合わないオネエ言葉の青年だ。
「こうか?そこの貴方達!ワタシの言う事を聞かないとおイタするワよ!」
ハウトは真顔でカノの物真似をし、オネエ言葉で腰をクネっとさせて指を指す。
「そ、それはカノさんの物真似をするってことじゃなくてカノさんの指導を参考にするって事だよ」
マァムは真顔でカノの物真似をするハウトへの悩みの解決にやや難航しながらも教えてあげた。
もう一人はデネブと言う。ひょうきんで軽く見えるが実はひっそりと努力家である。
デネブはとある日「これはあかんっちゅーねん!」と一人で台本を読みながら演技をしていた。
「あ、デネブ君お笑いの練習してたの?」
「あマァムちゃん。見られちゃった?」
デネブは慌てて台本を後ろに隠す。
「そんなに隠すような事かなぁ?」
「隠す事でしょ。天才が努力してる姿を見せるのは寧ろ嫌味になるじゃん?チイチイさんもそう思うよね?」
「向こうの人に訊いても答えられないと思うよ」
マァムは苦笑いしながら本の向こうにいる読者に指差すデネブを軽く突っ込む。
「努力は見られちゃ駄目って思うものなの?」
「そうだよ。天才に限らず分相応な振る舞いでいかなきゃな。言うじゃんノブリスオブリージュってね♪」
「まあ自分のためじゃなくて誰かの為だったら関係ないな。天才だってもっとマァムちゃんの頼れるナイトになりたいみたいな♪」
とそんな事を言いながらデネブははにかみながら笑った。
デネブに30分くらい話に付き合わされた後マァムはリギルを探しにいく。
「リギル君また乱暴してないと良いけど…」
そうマァムの仕事は眷属の様子を時々にでも見に行く事にある。
そんな時男の娘がぐすりぐすりと泣いていた。
見た感じ色白の肌、整った顔立ちから少女のようにも見える。
「あらどうしたのベッ君?」
マァムはしゃがみ込み静かに泣いている美少年の前に腰を下ろす。
べッ君、本名はベクルックス。
マァムの眷属の一人で5色の騎士の一員である。
「今読んでる本が凄く泣けて…これ、オススメです!」
ベクルックスはマァムに本を手渡した。
「あははありがとうベッ君。そしてそしてリギル君は知らない?」
「あああの人と行動してたんだけど途中で見失っちゃった」
「あらまあの人ったら!」
マァムはリギルを探し出した。
ーーー
「こらぁ降りてこいてめー!!」
マァムがリギルを探していると何処かからがなり声が轟いた。
「この声はリギル君だわ。リギル君また誰かと喧嘩したのかしら。また懲らしめてやらなくちゃ」
マァムは声のした方へと走っていく。
「おらーこの俺の頭にフンなんかぶっかけやがってー!!」
大木には鳥が寛いでいてリギルが真下で大声を上げている。
「焼き鳥にして食ってやる!」
リギルは拳に闘気を込める。
その闘気は衝撃波となりリギルは大木に一撃を放つ。
ドカーーーン。
ビキビキビキ…大木にヒビが割れだしやがて斜めに傾きだした。
そのちょうどその時に鳥は逃げてしまったがその真下にはマァムがリギルの元に走っている所だった。
「きゃーーーっ!!」
「げぇマァム!?」
勢いをつけて倒れてくる大木の下敷になりそうになるマァムを見てリギルは焦る。
そんな時シュシュシュと白い影が走りマァムを救い出す。
「間一髪セーフだったワ!」
現れたのは長身で美形の男性。
ほんのりと化粧をしていて良い香水の香りが漂う。
その男性はマァムを抱き止めたまま彼女に声を落とす。
「お怪我はないかしラ?」
「は…はい…」
その男性から出るオネエ言葉。
彼こそがカノ、5色の騎士の一人とされる。
「やばいカノだっ!」
リギルは逃げようとしたが瞬発的な速さでカノがリギルの前に立つ。
「ちょっとそこの坊や!もう少しでこの子が死にそうだったじゃないどうしてくれるのヨ!」
カノはリギルに向けて人差し指を指し、オネエ言葉で怒鳴った。
「カノさんおしおきは私がするから「いいえ貴女にばかり悪役はさせないワワタシにもやらせなサイ!」
そしてカノはリギルを抱きしめる形でギュウギュウに締め上げる。
「貴方のような悪い子は身動き出来なくなるまでぱふぱふしてあげるワ!!」
「ぎゃー許してブクブクブク…」
仕舞いにはリギルは泡を吹いて気絶した。
ーーー
とそんな事を思い出しマァムはクスクスと笑った。
「どうしたんだいマァムさん?」
とマスターが聞く。
「思い出していたの、エントレアでの出来事を…ね」
とマァムは夕陽に照らされ目を細めた。




