パンゲアラードへ
「救いの鍵よ今ここに!」
とマスターは救いの鍵を手に握る。
「パンゲアラードかぁ楽しみだなぁ♪」
「遠足じゃないのよ!」
呑気に口ずさむスフレをロザリーは叱咤。
「まあまあ良いじゃない。戦いに行くわけじゃないんだから」ラナンはロザリーを諌める。
「スフレ様可愛いですわ…のぞのぞ様もそう思うでしょう?」とカトレアは小さく声を落とす。
「でも魔物はどこで出くわすかはわかりませんわ。マスターも今は普通の女の子。魔物だけでなく怪しい男にも気をつけてくださいませ」
プルメリアが注意をかける。
「わかってますとも、さあ行こう!」
マスターは空間に鍵を差し込みそれを回す。
すると異次元のホールが現れた。
そしてマスターと乙女達は翼を生やしそのホールの中へ入る。
その中は混沌とした背景だがやがて目の前がくっきりと見え出した。
「あそこがパンゲアラードだな!」
マスター達はその中へ入る。
パンゲアラードという世界のにはローラシアという国がありそこにモョモトと言う青年が住んでいる。
彼はローラシア城の近衛兵として活躍しているようだ。
街の人にも慕われ、人気が高い。
(やはりモョモトさんは素晴らしい人なんだな。沢山の人に慕われているみたいだ)
とマスターは思った。
「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」
そんな時スフレがマスターの服の袖を引っ張る。
「ん?どうしたんだいスフレ」
「何か忘れてなぁい?忘れ物取りに行こうよ!」
「あ、いけね!」
そうそうマスターは探索マップにて溜まったEPを注ぎ込みアイテムなどを受け取る。
ガチャに必要な精霊石、活力の果実など549を楽しむのに必要なアイテムを滅茶苦茶手に入れられるのでおでかけの有用度は高い。
マスターもやってなかった時期があったが最近はどハマりし大変でも一日に最低一万を超えるくらいにはおでかけさせてEPを溜めまくっている。
まあともかく、マスターはこれからモョモトと会って愛の告白を…いや自分の体を取り戻さないといけない。
そんな時衝撃の事実が。
モョモトもまた、EPを注ぎ込み探索マップにてアイテムを受け取りに来たのだがそこでマスターと鉢合わせをしてしまう。
なんとモョモトの隣には見知らぬ若き女性がいた。
かなりの美少女でみた所活発そうなイメージ。
「おやマスター…」
「も…モョモトさん…」
マスターはやや絶句した様子でモョモトとその隣にいる美少女に注目する。
「この人達はだぁれ?お兄ちゃんのお知り合い?」
「うんまぁ、ギルドの戦友なんだ…」
スフレが目を丸くしてマスターに目を向けるもマスターの声は固まっていた。愛の告白をしようと思っていたのがなんと彼女持ちだったからだ。
「あ、この人はアイラン。僕のフィアンセだ」
「はじめましてアイランです」
モョモトが紹介した所マスターは思考停止した後飛び出した。
「あお兄ちゃん!」とスフレが呼び止めるがマスターは涙を拭ういとまも無くひたすら逃げ走った。
(なんて情けない男だ僕は…ロロイと言う彼氏もいるのにモョモトさんに惚れてしまって、彼女持ちである事を祝福出来ずショックを受けてしまうなんて!瞬一さん情けないだろう?僕を笑っておくれ!!)
マスターは逃げ惑うように街を駆けるばかりだった。
そんな時そんな時マスターは迷子になってしまった。
「あれれ?僕が迷子になってしまうなんてっ!」
やがてマスターは悪そうな男達に絡まれる。
「お嬢ちゃんこんな所で1人でいては俺達みたいなワルに絡まれるぜ♪」
男達は下衆に笑いながらマスターに絡んでくる。
「やるか?ヴァナルガンドッ!」
マスターは弾幕を放とうとしたが弾幕を放てない。
(しまった僕は女の子になっている上に力も使えないんだったっ!)
マスターは我の状況を忘れていた。
今はマァム(少女)の姿になっている上に力も使えない。
男達に向かった所で非力なマスターは男達に揶揄われるのだった。
「何の真似だそりゃ?」
「その生意気な服を脱がしてやるぜ!」
男達はマスターのドレスを引き破りだした。
「やめろやめろーーー!!!」
マスターは必死に抵抗するが男達の前ではあまりにも無力。
もはややりたい放題にされていた。
そんな時そんな時「やめろ!!」と勇ましい声が。
「あぁん?」一斉に対象を威嚇する男達。
そこには青と黒を基調とした服を纏った剣士が二丁の刀剣を握り牽制していた。
「モョモト…」とマスター。
「なんだてめえはこのお嬢ちゃんの彼氏かぁい?」
「やっちまえ!!」
男達は鉄パイプや包丁などを取り出しモョモトに飛び掛かる。
モョモトはそれらを軽々と交わす。
「そんな喧嘩戦法では俺を捉える事は出来ねえよ!」
モョモトは華麗な二刀流捌きで男達を崩していく。
男達は魂が抜けたように崩れ落ちモョモトはマスターに布を被せた。
「可哀想にこのエリアは危険だマァム。先に乙女達が待ってる戻ろう」
モョモトはマスターに布を被せたまま乙女達の待っている宿屋へ。
(本当にずるいよモョモト…彼女もいるのにこんなに僕に優しくするなんて…)
マスターは嬉しい反面歯痒さも同時に味わうのだった。




