マスターと踊り子
マスターはいつものようにゴシックパーティーに向かう。
ゴシックパーティーは毎夜22時に行われるバトルの事だ。
ギルドと言う組織のリーダーと、そこに入ったメンバー達がよそのギルドと戦い、点数を競うと言うゲームバトルである。
開かれるのが夜の22時なので人を選ぶ。
マスターはかつては寝過ごしてしまう事が多かったが最近は22時にはなんとか起きて戦えている。
自慢するような事では無いが、夜への耐性などがそこでは試される。
マスターはそのギルドを立ち上げていて開拓などを行なったり、そこに入っていただけたメンバーとともに他のギルドと戦っている。
「皆さんご協力ありがとうございます共に戦いましょう」
「さてさて来ましたよ?」
メンバーの1人がこう言うとよそのギルドがこちらのギルドを攻めてきた。
「皆さん力を貸してください!」
「合点承知の助!!」
マスターは協力を求め数人のメンバーがそれに呼応する。
何人か夢に入っていたり働いて来られない人もいるのは仕方がない。
ギルドは夜との戦いなのだから…。
そしてマスターの隣には戦友のモョモトがいる。
モョモトはなんと二刀流の使い手だった。
(モョモトさんはかっこいいなぁ…二刀流で戦えるなんて…)
マスターは輝いた眼差しでモョモトの戦いを見つめた。
「行くぜ二刀流!!」
モョモトは両手にそれぞれ違う弾幕を撃ち放つ。
片手に鏡雷、片手にガルドラと、違う種類の弾幕を放ちながら一度に2回の出撃で稼いでいく。
実際マスターが立ち上げたと言う事でギルドリーダーと言う肩書きではあるが実力も、人格も優れている人物なので実際モョモトさんがリーダー格と言って良い。
それに引き換えマスターは二刀流なんて使えないし多くは稼ごうとするもののモョモトには遠く及ばない。
「すみません助けられっぱなしで」
「良いって事ですよ。何より大事なのは体です!」
モョモトはマスターを気遣った。
(素晴らしい人だなぁ僕も二刀流使いたいなぁ…)
マスターは密かにモョモトに憧れを抱いていた。
それはもうチイチイ以上に…。
いやチイチイは唯一無二の人でモョモトさんはあくまで憧れ…と言う冗談は置いといて。
モョモトさんはノファンのチャットの愚痴にも付き合ってくれて、面白いお話も聞かせてくれる素晴らしい人だった。
(はぁ僕も使いたいな二刀流…)
マスターはモョモトさんの活躍ぶりを見るたびにこう思うのだった。
そしてマスターは帰り道で踊っている乙女に魅入ってしまう。
「私を見て!そして買って!!」
乙女はこう叫びながら魅惑の舞を舞っていた。
「買う!!」結局マスターはその乙女に手を出してしまう。
あぁまた金が…買ってしまい来月の出費欄を見るのが恐ろしくなってくるマスターがいた。
「私の値段はどれくらいかしら?」
乙女はポーズを取りながら挑発してきた。
グラマラスで踊っていたので汗が煌めく。
それでいてその童顔はマスターを誘惑するのに充分過ぎるほどだった。
ゴクっと喉を飲み込みながらマスターは「じ、じゃあ2万ゴールドで…」と札束を差し出す。
すると乙女はマスターを睨みだし「私がそんなに安っぽい女に見える?もう知らない!」
とプンスカしながら踵を返しだした。
「待って!もう一万!合わせて三万だ!!」
マスターは慌ててもう一束を差し出す。
すると乙女は振り向き、さっきとは裏腹の満面の笑顔を向けて口を開いた。
「交渉成立ねあとせっかくだから紹介するわ。私はミラダよろしくね♪」
ミラダは明るい声と顔でマスターの頬をますます赤らめさせた。
(あの高級自転車買った後でこんな出費しちゃったけどまあ80万は今のところあるんだなんとかなるだろう…)
マスターはミラダを連れ出しながらそう思った。




