真少女マァム
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乙女達の憶測通りマスターは屋敷に幽閉されていた。
そんなマスターは自分の涙で出来た池をふと見るが、そこに自分の姿が映るはずが謎の少女が映っていて、しかもマスターに話しかけてきているのだ。
なんとも不思議な現象だがマスターは訝しげにしつつも涙に映る『少女』と対面する。
「君は…僕?」
『そう、君はわかってるはずだよ。しきたりや偏見に惑わされてはいけないって…』
涙の池に少女、マァムが映っている。
マァムはマスターの前世の少女の名前だ。
『僕も当時は平民で、相手は貴族だった。今でこそ平等だけど当時は偏見が物凄かった。僕は相手、ロイと駆け落ちしてでも繋がろうと必死だったんだ、でも…』
そこでマァムが哀しげな表情をする。
「追っ手からは逃げられなかった…?」
『そう、だから逃避行して、一緒に心中したのさ…』
とマァムは声を落とす。
「悲しいね…」
『そう、だからだから、今は同性同士でも君はあの人を愛しているんだろ?今の僕…君には僕とロイみたいな悲劇に負けず幸せになって欲しいんだ』
マスターは立ち上がった。
女の子になろう!っと。
「僕、女の子になるよ!」
『僕も協力するよ。僕のドレスをあげる』
マァムはマスターに自分の服を着せてあげた。
『とてもよく似合ってるよ!』
「そう…かな?」
とは言うものの着てみると恥ずかしくなってしまうマスター。
マァムは逆に感激していた。
『まさに前世の僕だよ!大丈夫、君はきっとロロイと幸せになれる!』
「うん、ありがとうマァム!」
そしてマスターはアンの元に走る。
マスターは女装をし魔女アンの元へ駆けた。
「お母様!僕は女の子になったよ!これで許してくれるんだろ!??」
突如現れたマスターの前に魔女アンは卒倒しそうになる。
そして身を震わせながら放つ。
「わ、私はお前をこんな風に育てた覚えはありませんっ!!!」
魔女アンの怒りの魔力がマスターを襲う。
「ぐはぁっ!!!」
マスターは血反吐を吐き崩れた。
アンは地面に崩れたマスターを睨みつけ写真を見せつける。
それは5枚あって美女がそこに映っていた。
「マスター、お前には5人の選りすぐりの女性をいずれか選んでいただきます!」
「そんなの聞いてないよ!勝手に僕の相手を探すな!!!」
「子供に講釈垂らされる覚えはありません!!!とにかくとにかく、女装も同性愛も決して私は許しませんっ!!!」
魔女アンは怒りと息子への幻滅で我を忘れていた。
「さあ召使い達!その息子の着ているドレスを剥いでおしまいなさい!!!」
「アイコピー(了解!)」
魔女アンは召使いの執事達に命令しマスターの着ているドレスを力づくで剥いだ。
「やめろやめろおおおぉ!!!」
マスターの絶叫が屋敷から虚しく轟いた。




