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549物語  作者: チイチイノファン
マスターと東の国からやって来た巫女
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長い戦い

マスターは仕事から帰り、シャワーを浴びてから549の世界に向かう。


メルベイユにて、乙女達とロロイ、そしてサイマがマスターが来るのを今か今かと待っていた。


「みんなお待たせ」「あ、お兄ちゃんおかえりなさい!」


スフレの笑顔がマスターの視界に映りマスターの顔も思わず綻ぶ。


「おかえりなさい!」「待っておりましたぞマスター!」

乙女達とロロイも。


「遅いのう待ちくたびれておったぞ」

サイマはせんべいを食べながらこうマスターに横ヤジを入れてきた。


「ごめんね自転車が遅くて。じゃあ魔法乙女達、僕に力を貸して」

マスターが乙女達に言うと乙女達は「任せて!」と言いマスターを囲んだ。


「ほお、何が始まると言うのじゃ?」

「ホロロ、マスターは戦いに出る前には必ず魔法乙女達の力を借りるのです」

ロロイはサイマに説明。


「ふむう、乙女達の力抜きでは何も出来ぬ男と言うのか?」

「ちょっとそれは語彙ごいに誤りが…無くはないか…」

サイマの言葉にロロイは少し納得しかける。


「冗談じゃ。乙女達の力を借りるとはなかなか面白い男だのう。ますます気に入ったぞ!」

サイマの瞳が光り少し声のテンションも上がった。


そしてマスターの背から翼が生える。


「さあ行こう!救いの鍵よ今ここへ!!」

マスターが真上に手をかざすと光り輝く鍵が現れる。


それをマスターは握り「サイマさん!ロロイ!行きましょう!!」と言い跳躍した。


「空を飛ぶのじゃな?」「貴女も知っておられましたか!」

直感を感じていたサイマ。


勿論、空を飛ぶ感覚も。ロロイ達が過去に幾多もの空の戦いを繰り広げていた事も。


「儂を誰と思うておる。過去も未来も見通す偉大なる巫女じゃぞ?知らぬものなど何もない!」


まるで妃のような口調も相変わらず。

しかし密かにサイマは力が弱り初めていることを察していた。


「しかし力は弱り初めて来ておる。頼みは其方達だけじゃ。儂を限界突破させてたもれ」

「わかっていますとも。お任せください!」

マスターは力強く答え、二人を戦いの空へ導く。


ーーーそしてとある空間にいち早く気づくサイマ。


「そっちに限界突破の兆しが見える。そこに鍵を差し込むのじゃ!」

「っ!そこですね!!」


マスターはサイマの指摘した箇所に鍵を差し込む。


ガシャリッ!!そして大きな音が響いたと思うとマスター達はそこから表れた異次元のホールに吸い込まれていく。


ーーー

ボンッ!とそこから放り出される3人。

そこは見渡す限り真っ黒い雲に赤い稲妻が降り注ぐ空間。地面はマグマに覆い尽くされていた。


そして飛んでいるうちにサイマが気配を感じる。

「真少年魔物じゃ!!」「っ!!」

奇襲をかけられそうだったが間一髪軌道を逸らし難を逃れる。


『巫女の限界突破などさせぬぞ!!』

魔物達はサイマがここに来ることを予見してここを守っていたようだ。


「取り囲まれましたぞ!」「狼狽えるでない!儂の神通力で乗り越えられよう!」サイマは印を結び詠唱する。


「詠唱魔法は時間がかかる。真少年達、儂を魔物達から守ってくりゃれ!!」


「わかりました!行こうロロイ!」

「我が主の命だ!!」


マスター達はサイマの詠唱の時間稼ぎに魔物達と戦う。


『青二才が捻り潰してくれるわっ!!」魔物の牙が襲い来る。


「蒼天アレイスター!!」「セブンソード!!」

ドカンドカンドカン!!マスター達の消耗が先か、魔物達の勢いが止まるのが先か、激しい戦いがそこで行われていた。


「パラディン!こいつは戦うのがきついですぞっ」ロロイは盾と剣を同時に持って攻防するが敵側の勢いに押されていた。


「パレットガード!なんとか食い止めなければっこれも救いの鍵としての使命!」


サイマの両手から大きな光球が姿を現す。

「真少年達もう良いぞ下がるのじゃ!」

そして手を突きかざし攻撃に出る。


「鳳凰の舞!!」サイマの究極の弾幕が空を覆い魔物達を殲滅。


そこから赤い宝玉が表れた。

「これが儂の『媒介』じゃ!真少年封印を解くのじゃ!!」

「わかりました!でやーっ!!」

しかししかしマスターは磁力に追いやられるように放り出される。


「マスターご無事ですか!?」

「強い魔力がいく手を阻んでいるこうなったら!」

マスターは万札を取り出す。


「マスター破産は避けるのですぞ!!」

「僕はその時のために新自転車を見送ったのだ!

サイマの限界突破のためにその金を使う!!」


札束で魔力を買ったマスターはその宝玉に魔力をぶち込んだ!

「サイマさんに力を貸すんだ畜生め!!」

バチコーーン!!


赤い宝玉から黒い魔力は解き放たれ鎮静化した。

サイマは近づきそれを手に取ったかと思うと迷わずそれを口に入れた。


「だ、大丈夫なのですかサイマ様それを口に入れて…」

人間に食べられそうにない『鉱物』のような物体を口にしてしまったサイマに面食らうマスター達。


「案ずるな大丈夫じゃ、そちのおかげで一つめの限界突破は出来たわい」

「一つ目!?」

とマスター達。


「そうそう、言い忘れておったが儂が最大限界突破するまでは9つの媒介を解かねばならぬ」

「9つ!?」

マスター達はそれを聞き気が遠くなるような感覚を覚えた。


「どうしますかマスター…」

「僕が見送った自転車は安くて8万はするはずだったんだ。それを考えたらサイマさんに協力するくらい安いものさ」

マスターはサイマの育成に力が入っているようだった。


消えていく札束、自立の夢、遠ざかっていく新自転車。


マスターの長い戦いはまだ始まったばかりだ。





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