サイマの動機
皆が回復したその時、マスターは全員を呼び出しサイマを自身の横に立たせる。
「今日から正式に使い魔として使役することになったサイマ君だ。みんな仲良くするように!」
パチパチパチパチ、乙女達から拍手喝采が送られる。
むっとロロイは見た。サイマの顔を。
(マスターの横に並んで良いのは私だけのはずでは?マスター何故その子を…)
サイマは(なるほどな…)とチラリとロロイを見た。
視線が合うのを恐れロロイは反らせたが流石は巫女なのか、ロロイの考えが読めてしまった。
仕事に取りかかろうと言う時、サイマがロロイに声をかける。
「そちのもの、其方に話がある」
「ホロ?私に?」
掃き掃除している時に後ろから話しかけられていた。
「ここじゃなんだからの、奥で話をしようぞ」
と言いサイマは背を向けた。
ーーー
そしてそして人目のつかぬ袋小路に差し掛かった時サイマはクルリとロロイに目線を合わせた。
「ホロロ、其方のような淑女がこのような所に私を呼び込むなんて」
「なぁに心配いらぬ其方に下心は見えぬ」
サイマは平静に言う。
一体何を企んでいると言うのか…とロロイは思った。
女性が男一人を人目につかない場所に誘うのは襲ってくれと言っているようなもの。
まあしかし、サイマの場合は不思議な力を持っているようなのでその男をもいなしてしまうだろうが…。
ロロイ的には彼女の佇まいは身構えてしまうものがあった。
「其方其方、マスターと言う少年とは恋仲じゃの?」
「はっ!な、なぜそれを!??」
ピシャリと言い当てられロロイは動揺を見せる。
「やはりの、その顔を見ればわかる」
サイマは口元に手を添えて口元を上げる。
そしてサイマは水晶玉を手に取り占った。
「そしてそしてその理由が前世からの恋……其方は前世で今は真少年、いや過去は真少女だった娘とは悲劇的な末路を迎え命を絶ったと…」
ロロイはトスンと胸に重いものがのしかかる感覚を覚えた。
「面白いのう実に面白い♪」
サイマはクスリクスリと笑う。
「同性愛を馬鹿にしているのですかな?」
「おお怖い…そう言うわけでは無いのじゃ。数奇な運命で今世でもこうして同じ種族、同じ世界に生まれ変われた存在が珍しくてのう」
「残念ながら種族は違います、私は兎族、今は人間の姿を借りているだけですぞ」
ロロイはそう言い人間からウサギの姿となった。
「これは一本やられたの…儂も魔力がやや落ちているようじゃ…限界突破が出来れば…」
「限界突破?」
限界突破と言うふと出たワードが気にかかるロロイ。
「限界突破とはなんですぞ?」
「儂と同じ媒介を儂の体に繋ぐことで更に魔力と未来を見通せる能力を得る事じゃ」
サイマのバックに地球から宇宙へとフラストレーションが現れる。
「儂は未来を見通せる。しかしその魔力も若干薄れてきておってな。その力を得る為に媒介が必要なのじゃ。お主マスターと共に取ってきてはくれぬか?」
とサイマは女王かのような立ち振る舞いのままロロイにこう懇願してきた。




