親子の衝突
仕事を終えロロイとイチャラブした後帰宅するマスター。
人里離れたある程度広く大きな屋敷。
それがマスターの実家なのだ。
「ただいま」とマスターは声をかける前マスターの母親と思しき女性が恐ろしい形相でマスターを睨んでいた。
「マスター聞いたわよ貴方同性の男の子と付き合っているんですってね?」
「そ、そんな事してないよ…」
マスターはギクッとしながら言い訳をする。
「嘘を仰い使い魔にお前の動向を追わせてもらったのよ!」
カラスの使い魔が『ミタゾ!ミタゾ!』と騒ぎ飛び回っていた。
マスターの母親もまた魔女で、名前はアン。
顔はマスターには似ず、目つきは鋭く化粧が厚い。
「女の子ならまだしも男の子と付き合うなんて恥晒しな事しないでちょうだい!!」
アンはヒステリックに怒鳴った。
「なんで同性と付き合っちゃいけないんだ!!」
マスターは言い返した。
「男同士では付き合えないし結婚出来ないのよ!それはそれは昔から決まってるのよ!!貴方はそれに反することをしているのよわかってるの!??」
アンは雷を突き落とす。
マスターは悔しさと歯痒さで涙を溜めながらアンを睨む。
マスターは反論を翻した。
「わかってるよ!でもでも僕とロロイは生まれる前からの運命の人なんだ!」
「訳わからない事を言うのはおよし!貴方貴方!喫茶店の5人の女の子を好きになった事は無いの!?」
「みんな好きさ!でもでも、恋愛とは違うんだ!恋愛感情を抱けるのはロロイだけなんだ!!」
「目を覚ましなさいマスター!」
アンは怒りの魔力をぶつけた。
「がはぁっ!」マスターはそれを喰らう。
「家族同士が結ばれてはいけないのと一緒で同性同士が結ばれてはいけないのよ!」
「知るもんか!僕とロロイは前世からの許嫁だ!アンタの言いなりになんかならない!!」
「まだ言うか!!」
更に攻撃を展開させる。
マスターはそれにひたすら耐える。
(いくら同性だからって僕は前世は女の子だ!確かに夢で見た!ロロイは前世も男!異性同士だったんだ!もう前世からのしきたりに振り回されるのはごめんだ!)
マスターは最後まで抵抗をやめなかった。
翌日ーーー
「おはようございまーす…あれれマスターは?」
ラナンは元気よく挨拶したがマスターがいなかった。
「どうしたのラナンお姉ちゃん?」
「ラナンさん…」
後からやって来るスフレとカトレア。
「マスターが来てないのよ珍しい…」
呆然と声を落とすラナン。
「風邪引いてるのかなぁ?」
「それなら連絡が来るはずです」
とスフレとカトレア。
「あらまあどう言う事でしょう?」
「マスターが来てないなんて事故に巻き込まれてなきゃ良いけど…」
とプルメリアとロザリー。
「今日はお休みにしようよ!」
スフレがパァッと満面の笑顔で言う。
(可愛い♪)カトレアはそんなスフレに笑顔を向けた。
「調子良いんだから。マスターが救いの鍵の少年って事忘れないでよね!」
と注意するロザリー。
救いの鍵とはラナン達「魔法乙女」から魔力を貰い強大な悪に立ち向かえる「救世主の少年」の事だ。
救いの鍵により事件の元となるか、何らかの事件に巻き込まれている異世界の扉を開き向かう事が出来る。
その為「救いの鍵」と呼ばれる。
ここ「ジルハラード」から現世、またその異世界まで魔法乙女達の力と真少年であるマスターの魔力で空を駆け渡る事が出来る。
「結局お仕事しなきゃなんないのかぁ…」
「まあまあケーキ作ってあげますからね♪」
スフレが頬を膨らませプルメリアがそれを慰める。
結局営業する事になった。
スフレは不満たらたら、他の魔法乙女は仕方ないと言った風だった。
カランカラン♪開業準備している途中に客の知らせの音が鳴った。
「いらっしゃいませってロロイさん!」
ロロイがやって来た。
ロロイは魔法乙女達の知り合いである。
「おやマスター氏は来ておられないのですかな?」
「そうなのよいつもはもう準備しているのに…」
皆心配している。
そしてまたカランカランと音が鳴った。
「いらっしゃいませ♪」と魔法乙女達が挨拶する。
ロロイの後に来た客は謎の男。
その男が来た途端喫茶店の中の空気が明らかに変わったのを感じる。
「どうも、実はロロイ様、貴方様に用がありましてね…」
怪しげな男がロロイを名指し、呼んだ。
「ホロロ…私に何のご用で…?」
訝しげにしつつロロイが尋ねた。
「マスターからは手を引いてもらいたい。同性同士で付き合うなど言語道断!との魔女アン様のお達しです」
男がそう言った。
ロロイは澄ましたように首を横に振る。
「それは出来ない要件ですな。私とマスターは運命の赤い糸で結ばれている。前世からの宿命ですぞ」
男の目は明らかに変わり、殺気立つ。
「あのマスターと言う小僧もそう言っていた。どうしても手を引けないのならここで死んでもらう!」
男が剣を抜いた。
「「キャアァ!!」」騒ぐ乙女達。
「乙女達は下がってて!さあ来い私が相手だ!」
ロロイもまた剣を抜き男を牽制。
隙を伺い睨み合う両者。乙女達にも緊張が走る。
「こ、怖いよぉカトレアお姉ちゃん…っ!」
「大丈夫ですよ大丈夫…♪」
あぁ至福の瞬間♪とスーをスースーしながらカトレアは思った。
「何考えてんのよお店で暴れられたら困るわ」
「あらまあなんて事でしょう…」
舌打ちするロザリーとおっとりした口調ながらもたじろぐプルメリア。
「あぁマスター…っ!」
ラナンは一刻も早くマスターが助けに来るよう祈った。
「でやー!!」
男が剣を突きまくる。
ロロイはそれを剣で防ぐ。
バリンッ!!食器が割れる。
「くっ!」ロロイは跳躍しフォークを次々と投げる。
キンキン!男はそれを斬り返す。
ロロイ隙を突いて懐に飛び込む。
「馬鹿め飛んで火に入る夏の虫だ!!」
男はロロイの腑に剣を貫いた。
「「キャァロロイ!!」」
騒ぐ乙女達。
「ホロロロ、これはギミックですぞ」
どこかからロロイの声が。
「何っ!これはウサギのぬいぐるみ!?奴は一体ぐわっ!!」
ロロイが峰打ちで男を眠らせた。
「殺しちゃったの…?」
「心配ご無用、眠らせただけだ」
ビクビクしながら聞くスーの質問に答えながらロロイは剣の鞘を納めた。
「それよりアンタ達が暴れたおかげでお店の中がぐちゃぐちゃよ!片付けるの手伝ってよね!!」
「ホロロォ!?」
ロザリーが怒鳴る。
男は連行されたがロロイは片付けを手伝う羽目となった。
ーーー
マスターは寒くて薄暗い密室に押し込められていた。
「みんなが心配だでもテレパシーも送れないアンに魔力を奪われているからな…あぁロロイ…」
マスターの瞳から涙が溢れた。
彼の涙がとめどなくボタボタと落ちやがて自分の顔が映るまでの池となる。
「あれ?これは…僕?」
マスターは自分の涙に映る「おさげの少女」に息を呑む。
『僕はマァム、もう一人の貴方で、前世の貴方…』
少女、マァムはこう答えた。




