君がくれた翼だから
ノフィンはチイチイにぶっ飛ばされて地に蹲ったままでいた。
しかししかし、チイチイの叫びには少なからず共感していた。
(チイチイ僕も一緒だ…僕だってこれまで苦しんできたんだ…)
ノフィンに小さい頃の記憶が走馬灯のように駆け巡ってくる。
『ノフィン、貴方は本当は凄い子。なのになのに、なんでなんで本気でやらないの?』
本気でやってる。僕を過大評価しないでくれ。
『お前は顔は良いのになんで女っ気無いんだ?』
それは自分が知りたい。
『あの子は可哀想な子なのよ。だから我慢しなさい』
こっちがいじめられてるんだぞ。僕は可哀想じゃ無いのか?
そう言われ続けて僕は自衛隊に行かされた。
次第に国防意識に目指めだすが人生において意味も成さない事を知ると辞めた。
仕事をしても殆どついていけず気力だけで続けてきてメンタルを壊す。
それからフラッシュバックとバーンアウトに散々悩まされ続けた。
『貴方は本当凄い子よ。小さい時受けた知能指数は110も超えてたから本気でやれば良い点取れたはずよ』
『顔が良いんだから彼女の一人や二人作れよ』
やめろやめろやめろ、僕の事を何も知らないくせに。
と僕はそんな心ない言葉を浴びせられては苦しみ続けた。
今チイチイも苦しんでいる。そうか、君も苦しいんだね。僕もだよ。
実力も顔も良いし紳士的でもあるのに僕はそれを活かしきれなかった。
マスターは翼を広げて宙を旋回。
旋回している間マスターの脳裏に人々の叫びがマスターに入ってくる。
『私の子供が!私の子供が!』
『ママはどこ?ママはどこ?』
『仕事が無くなってしまった電気も使えなくなってしまった…』
『この先どうやって生きれば良いんだ…』
みんなみんな辛いんだな。チイチイを止めなければこの被害はどんどん広がってしまう。
そしてそして…
『マスター辛いよ…でもみんな頑張ってるから私も頑張らなきゃ…泣いちゃダメ!』
「ラナン!」
魔法乙女も必死に避難民を励ましたり慰めているがほぼ限界状態になってる意識も受け止めた。
『あぁスフレさんも泣いちゃって可哀想…私はもっと可哀想…』とカトレア。
『お兄ちゃんはどこ行ったの?うわあぁん馬鹿あぁ!』とスフレ。
『マスター…新しい救いの鍵なるものを探さなければならない時が来たようですね…』とプルメリア。
『マスターどこほっつき歩いてるのよ!私はこんなにキツい思いしてるってのに!』とロザリー。
(みんなごめんね待たせちゃって…!僕がチイチイの暴走を止めてジルバラードに平和を取り戻すからね!)
マスターはチイチイから放たれる弾幕を避け続けながらチイチイに接近した。
チイチイは宙を旋回するマスターの姿を捉える。
「アンタもこのウチの邪魔をするんかあああぁ!!!」
チイチイからマシンガンのように弾幕が放たれた。
「ライオットガン!!」
マスターはチイチイの弾幕を弾幕で相殺する。
「君がくれた翼だから、僕は君のために戦う!!」
マスターは魔法乙女とジルハラード中の人々の心の翼で羽ばたく。
「轟け白い魔力!フェアリーテール!!」
マスターの周囲に妖精達が現れてテールで攻撃する。
「洒落臭いわ!551バーニング!!」
チイチイは強烈なレーザー砲を妖精達に放つ。
『きゃあぁ!』
「妖精達!この可愛らしい妖精達の姿もチイチイには目もくれない!」
マスターは歯を軋ませる。
『マスター、僕の翼も使って!』
「マァム!うんわかった!」
一人の少女の幻影が現れる。それはマスターの前世を生きた少女、マァムだった。
「「本気のLoveが、マーーーックス!!」」
マスターとマァムがデコピタをする。
そして合体してマァムマスターとなった。
「なんやなんや、そのふざけた格好はぁ!!?」
チイチイは仰天する。
「いや僕は本気だよ。僕はみんなの翼をもらったんだ!だからこの戦い、勝たせてもらうね!」
マァムマスターは美しい女神のような姿でチイチイに接近する。
その間も互いの弾幕がぶつかり合う。
さあさあチイチイ、この戦いどっちに勝って欲しい!??




