プルパの光
マスターの目の前はもはや真っ暗で体の感覚も無くなっていた。
(うぅ…僕は死んだのか?)
マスターは風景も感覚も無い暗闇の世界を彷徨いながら浮遊している。
『いいえ貴方は死んではいません!』
そんな時女性のノイズ音が聞こえてきた。
そしてマスターの目の前には水色の髪の美少女が光を帯びながらマスターを見つめていた。
「エミナーさん…!」
マスターは目の前の美女の名前をボソリと溢す。
『貴方にはチイチイの暴走を食い止め、ジルハラードを救う使命があります。それまでは死んではなりません!』
「しかししかし、魔力も体の感覚も感じません。今の僕には何も残っちゃいない…!」
『マスターさん、それを見てもこう言えますか?』
エミナーはそう言うとある風景をマスターに見せた。
「ラナン達…みんな!」
マスターが目を見開く。
見えた先には避難民を必死に助けている魔法乙女達の姿が。
『みんなは待っています。貴方の帰りを!』
とエミナー。
マスターの意識が現実に戻る。
見える見える災害の街跡。
周囲の建物は原型を留めず、煙があちこちに燻っている。
竜巻が起こり空は電流の糸を纏い薄暗い雲に覆われている。
チイチイの起こした災害の激しさが物語っている。
「これは………そうか僕はチイチイを止めに来たんだ…っ!」
マスターは現実に戻ると共に自分に与えられた使命、エミナーからの依頼を思い出した。
「そうだ僕はチイチイの怒りを鎮めてジルハラードを救わなければならない!」
意識をしっかり持ったマスターは立ち上がりチイチイのいるその場に駆け出す。
『マスター…』
そんな時マスターの耳に女性の声が渡りマスターは周囲を見渡す。
「あれ…プルプル…?カトレア…?そこにいるのかい?」
マスターはキョロキョロとする。
しかし肝心の姿は無い。
『ここや』
謎の関西弁。チイチイも関西弁だがそれよりもややゆっくりで低くも聞き感触の良い声だった。
そしてそして対象のそれは強い光を放ちマスターに在処を知らせる。
「これは確か…ノフィンさんの持っていた…」
そうこれは「プルパ」。ある女性の忘形見であった。
これは強い光の魔力を放ち黒い魔力に対抗出来るよう兼見と言う女性からノフィンが譲り受けたものである。
「凄い魔力だしかししかしどう使えば良いかわからない…」
すると女性の声は反応するように明るい声を出した。
『アンタ魔力を感じる事が出来るん?だったらだったら話が早い!使い方はウチが教えるからそれでチイチイちゃんを元に戻して!』
思ったより早口でその女性はマスターを急かす。
「貴女は?」『あ申し遅れたウチは兼見。かっちゃんと呼んで♪』
そしてマスターはチイチイの元に急いだ。
「うわああああぁ大人はみんな大嘘つきやーーーーーっ!!!」
チイチイから出る怒号と浪速の闘気。
チイチイの巨大な闘気によって大気が崩れあらゆる災害を引き起こされる。




