孤独のスフレ
プルメリアとロザリーに諌められたスフレは流石に反省してマスターに謝りに来た。
「お兄ちゃんごめんなさい…」
「ふん!」
マスターは素通る。
(怒られちゃったスー独りぼっち…)
確かにあれ以来皆はスフレを敬遠しだしていた。
(スーがあんな事しちゃわなかったら…)
スフレは自分のした事を後悔した。
一方でマスターはロロイと言う兎族の青年とデートに出ていた。
外は湖が凍っていてそれをスケート場にして殆どの若い男女がそこで遊んでいる。
「マスタースケートに行こうぜ!」
「おうっ!」
マスターは迎えに来たロロイの元に走り出かける。
「スーもお兄ちゃんについて行かなくちゃ!」
スフレは自分のスケート靴を持って走る。
マスターとロロイがにこやかに話している。
(お兄ちゃんも前はスーにこんな笑顔を向けてくれていたのに…)
それをじっと見ていたスーはギュッと胸が締め付けられる思いになった。
「おや?」
ロロイは気配に気づく。
「!!」スフレは慌てて木に隠れた。
「スー嬢が付いて来ておられますぞ。迎えに行かなくて良いのですかな?」
「知るもんか!行こう行こう!」
マスターはご機嫌斜めそうに足早に歩いた。
「のっぴきならない事情がおありのようですな…」
ロロイは考えるもそのままマスターについて行った。
あまりの寒さに湖は凍っていてそこに沢山の若い衆がスケートで遊んでいた。
「さて我らも滑りましょうぞ」
「おう競争しようぜ」
マスターとロロイが競争。
スフレもひょっこりと現れマスターについていこうとする。
ロロイはまたもスフレの気配に気づく。
「スー嬢がまたついて来てますぞ」
「勝手に滑ってれば良いのさ!」
ロロイが注意をかけるもマスターは知らんぷりだった。
「お兄ちゃん…」
スフレはほぼ半泣きになって見送っていた。
そんな時小さく可愛らしい妖精がスフレの側をヒラリヒラリと舞う。
「あ、妖精さん」
スフレは妖精についていく。
『スフレちゃん私を捕まえたら願いを叶えてあげるわ』
「本当?だったらだったら、お兄ちゃんと仲直りさせて!」
『うふふだったら私を捕まえてごらんなさい♪』
妖精が笑いながら飛び交うのをスフレが捕まえに滑る。
「待て待てー!」
スフレは夢中でその妖精を追いかける。
(妖精さんを捕まえてお兄ちゃんと仲直りしなくちゃ!)スフレはあまりにも気が急っていた。
その時その時、氷の薄くなっていた箇所があってその氷が割れてしまいスフレは湖にダイブしてしまう。
「助けて助けて!!!」
スフレはもがく。
「スー!!!」
ロロイとマスターが慌てて駆け寄る。
「お掴まりくだされ!」
ロロイが手を伸ばす。
スフレは全身が濡れて外の寒気もあって体温が奪われていく。
その為体が動かなくなり沈んでいく。
「畜生このままでは…っ!」
マスターは走る。
そして立派な木に目をつけマスターは飛翔した。
マスターの背からは翼が生えマスターは先5メートルくらい跳躍する。
そしてそして手刀で枝を断ち割る。
「スー僕のせいでスーが…!」
マスターは死にものぐるいでスフレを救いに行った。
枝を動けなくなったスフレに伸ばし服を引っ掛ける。
「「せーのっ!」」
マスターとロロイ二人がかりでスフレを持ち上げた。
スフレを暖める為に先ずは服を脱がしてマスターとロロイの服を着せてあげ、家まで運んだ。
皆が心配そうに見守る中スフレををベッドに寝かせて安静にさせる。
その間マスターは自分を責めまくった。
「僕のせいだ僕がカッとなってしまったばっかりに僕はなんて駄目な奴だ!」
「マスター其方は悪くない人間誰だってそんな事はあるものさ」
ロロイがマスターを説得。
「しかししかし「マスター…」
ロロイがマスターを抱き寄せた。
「あんまり自分を責めるものじゃない。君は命懸けでスフレ嬢を救いに行ってくれたじゃないか。だからだから、君は立派な真少年だよ」
ロロイの暖かさが伝わって来た。
「ロロイ…」
「愛してんぜマスター…」
マスターとロロイはベッドを共にした。
「お疲れマスター」
「交代しに来てくれたのかいありがとう」
ラナンが交代しに来た。
そしてマスターとラナンが交代する際深刻に話す。
「あれから中々目を覚ましてくれない…万が一の事があったら…」
「考えすぎですわマスター…」
マスターが眉間に皺を寄せ考え込むのにプルメリアは気休めの言葉をかけるしか出来なかった。
「本当よねマスター貴方は良い歳して子供っぽ過ぎるのよ!」
ロザリーの遠慮の無い一言がマスターを突く。
「そこまで言う事…「いやロザリーの言う通りさ」
カトレアが庇おうとしたのをマスターはロザリーの言葉を呑み込む。
「僕がしっかりしていたら…」
マスターは項垂れていた。
そしてそしてラナンはスフレを看病しまくっている
「スー早く元気になって…」
ラナンはスフレの手を握る。
「捕まえた…妖精さん…」
するとするとスフレがこう小さな声で呟いた。
「妖精さん…妖精でも追いかける夢でも見ているのかしら?」
とラナンは考えた。
するとスフレの握る手が強くなる。
「うぐっなんなの!?この握力…スーのものじゃないわっ!?」
ラナンは痛みで引き剥がそうとするがスフレの握る手がますます強くなる。
やがてやがて、スフレからは黒い魔力が渦巻き出した。
「これはこれは……キャアマスター助けて!!」
ラナンは悲鳴を上げた。
「ラナン!??」
「どうしました?」
マスターが立ち上がりカトレア達が聞く。
「今ラナンの悲鳴が…」
そしてマスター達は寝室に駆け込む。
マスターが駆けつけるもすでに遅し!
そこにはラナンも、スフレの姿も無かった。
「二人ともいない。そんなバカな!?」
マスターが狼狽える。
「マスター氏ーーー!!」
そこにロロイが駆けつけてきた。
「ロロイ!」「嫌な予感がしたから駆けつけてはみたが…やっぱりですな…」
「どう言う事!?」
顎に手を当てて考えるロロイにロザリーが聞く。
「どうやらスフレ殿に黒い魔力が取り憑き、ラナン殿共々魔界に引きずっていったに違いありませぬ…」とロロイは説明する。
「あぁラナンさんスフレ様に連れられるなんてなんて羨ましい…」
カトレアはロロイの言葉を聞いて一人妄想していた。
「貴女ね…」ロザリーは呆れる。
「とにかくとにかく、由々しき事態ですわお二人を助けに行かないと…」
プルメリアが言う。
「うん行こうロロイ!」「お供致しますぞ!」
プルプルの言葉に頷き二人は立ち上がった。




