4/17
気づき――最初の違和感
最初の切っ掛けは、ちょっとした違和感からだった。
ゾウムシは、基本的に不活発な昆虫である。
止まっている時間が長く、動いたとしても、目的性のない歩行に見えることが多い。私も最初は、彼らを「静的な存在」として認識していた。
ところが、ある日、ケース内の一匹をピンセットでつまみ上げたとき、ふと別の個体が動いた。
偶然だと思った。
むしろ、そう思わない理由がなかった。
だが、その動きが、あまりにも「よく似ていた」。
方向でも、速度でもない。
「動き出すタイミング」が、妙に揃っていたのだ。




