表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/17

新たな仮説

もし、この構造が、三次元空間の内部で完結していないのだとしたら。

私が観測できないのは、単に感覚や装置の問題ではなく、観測の前提となる空間そのものが異なっている可能性がある。


そういえば、高次元空間を経由する物理現象が、理論上は想定されると聞いたことがある。


たとえば、重力に関するいくつかの仮説では、その担い手とされる粒子が、余剰次元に漏れ出す可能性が指摘されている。

それが正しいかどうかは別として、少なくとも、影響は確かに存在するにもかかわらず、三次元的には説明しきれない現象が、物理学の内部で真剣に議論されている。


この考えを追っていくうちに、私は自分の思考が少し先走り始めているかもしれないと感じた。

行き詰まっている状況で浮かんだ仮説に、私は冷静な判断ができているだろうか。

この思考の向きが、単なる混乱や思い込みによるものではないか、自分でも確かめる必要があった。


高次元空間を介した物理的相互作用という仮説は、少なくとも、既存の理論の延長線上にあり、「どのように確かめるか」を考える余地が残されている。

そう考えると、テレパシーや超能力といった語を持ち出すよりも、よほど筋が通っているように思えた。


まだ自分が正気を保てていると判断し、この仮説に基づいて、改めて観察と検証を進めることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ