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行き詰まり
Fig.4に示した事例は、いずれも人間が日常的に知覚しない、あるいは直接には知覚できない情報を用いた伝達が、動植物において成立していることを示している。
これらを参照してもなお、衝立越しの同期行動を、既知の情報媒体に無理なく対応づけることはできなかった。
衝立で隔てるどころか、個体群を隣の部屋に移しても、行動の同期が観測される場合があった。
手がかりがほとんど得られない状況から、放射線の関与という可能性も一度は考慮し、分厚い鉛板を用いて空間を隔てる試行も行った。
それでも、両群はあたかも何も隔てられていないかのように振る舞い、同期行動に明確な変化は認められなかった。
この時点で、それが何であるかを特定することはできない。
また、既知の情報媒体のいずれかに無理なく当てはめることもできない。
それでも、同期という結果そのものは、仮定に依存せずに残る。
衝立の有無によって行動分布が変化しない以上、両群の個体間には、何らかの形で情報が共有されていると考えるほかない。




