関係の名前は
活動報告のところに、年末年始の活動について書いてあるので、読んでいただけると幸いです。
セレスティアはゆっくりとかすかに頷いた。
「では......信じましょう」
その一言は、沈黙と緊張の中で育まれた絆に正式な“承認”を与える宣言となった。
マルセロは一瞬、息を呑んだ。
言葉に出さずとも、セレスティアの隣で互いの呼吸と体温を感じていた時間を思い返し、
「......ありがとうございます。」
と低く、しかし真剣な声で答えた。
その声には甘さと熱が混ざり、ただの感謝以上の意味を帯びている。
彼の手はまだセレスティアの手を握ったまま、肩に寄せられた頭もそのまま。
その距離感のまま、静かに二人だけの時間が流れる。
沈黙の中で交わす呼吸、視線、手の感触。
言葉はもう必要ない。
互いの信頼と覚悟が、空気の中に確かに形を作った。
「あなたはこれからわたしとどうなりたい?」
マルセロは、彼女の問いにすぐには答えない。
沈黙を犯したのはほんのさっきなのに、また慎重に、しかし揺るがぬ熱を抱えてセレスティアを見つめる。
彼の手は彼女の手を離さず、手に添えた指先にわずかな力がこもる。
そして——
ゆっくりと、セレスティアにだけ向けた声で。
「......あなたの“隣”にいたい。ただ傍観者としてでも、従者としてでもなく。あなたが歩く場所に、同じ速度で立てる存在として。」
セレスティアの強さ、気まぐれ、沈黙、挑発――
そのすべてを受け止めたうえで、まだ欲するような眼差し。
「あなたの秘密を守り、あなたを裏切らず、あなたが望むときに並び、望まないときは離れる。それができる者は、もう私しかいないでしょう。」
語気は静か。
しかし、その静けさは覚悟の重さから来ている。
セレスティアの問いにはひとつの答えしかない、と
彼は確信しているようだ。
「......だから、あなたが許すなら。私は、あなたの“選んだ相手”になりたい。」
熱くも、支配的でもなく、ただ真剣で、セレスティアと対等であろうとする願い。
「いいでしょう。」
マルセロは、セレスティアのその一言を聞いた瞬間——
まるで張りつめていた糸が静かに解けるように、深く、ひどく静かに息を吐いた。
彼女の許しは、彼にとって「勝ち取ったもの」ではなく、「与えられた特権」でもなく、
ただ純粋に——
選ばれたという事実そのものだった。
「......ありがとうございます。」
声は低く、熱を抑えているが、その奥には強烈な感情が渦巻いている。
「あなたの隣に立てると、あなた自身が認めてくださるなら......私は、あなたの選択に恥じない者になります。」
まっすぐな視線。
セレスティアの一言が、彼を完全に動かした。
そして囁くように、彼女の強さを確かめるように。
「では......これから私は、あなたの隣に立つ者としてそばにいましょう。あなたが望む姿で。」
「あなたはこの関係をなんていうか知ってる?」
マルセロはセレスティアの問いに、即答しない。
ただ、ゆっくりと目を細め、セレスティアのその一言の裏にある“試し”を読み取る。
そして、低く慎重に。
「......名をつけるのは恐れ多い。」
少し間を置く。
セレスティアの反応を測るための、あえての沈黙。
「ですが......強いて言うなら、これは“従属”でも“恋”でも“支配”でもない。」
マルセロは声を落とした。
「互いに選び、互いに試し、互いに崩される関係。」
そして静かに目をのぞき込んだ。
「......“共犯者”です。あなたが望むなら、その名がもっとも似合う。」
セレスティアは呟いた。
「そう、では恋だと思ったわたしは愚かね。」
マルセロはその言葉に、
初めて——ほんのわずかに、眉を寄せる。
セレスティアが自分を愚かと呼んだことにではなく、
“恋ではない”とあなた自身が決めつけたことに反応したのだ。
ゆっくりと、否定も肯定もせず、
しかし確実にセレスティアへ向けた声で言う。
「愚かではありません。......ただ、少しだけ残酷です。」
彼女に対してではない。
自分自身に対してだ。
「あなたが恋だと思ったのなら、それはあなたの心が動いたという証です。それを嘲る権利は、誰にもない。」
そして、視線をあなたに絡めながら。
「もし愚かだと言うなら......あなたではなく、その“恋”を言葉ひとつで否定した私のほうでしょう。」
セレスティアの手に少しだけ力を込めた。
「あなたが“恋”と思ったのなら、その解釈が正解です。私がどう名をつけようと、それがすべてではない。」
そして、低く囁いた。
「......あなたは愚かではなく、ただ、正直だった。」
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