表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/8

第7話 本日最後の旅行先

 ベッドに仰向けになり、目を閉じていた。健人と付き合いだしてから、ほぼ毎晩シングルベッドに二人並んで眠っていたので、実家に帰ってきてから感じるこの広さに、まだ少しだけ慣れない。不思議なものである。


――今日も楽しかった


 健人とは波長が合う。長らくバイト仲間として日々顔をあわせていたのに、付き合うまでこんなに気が合うとは思っていなかった。毎日どれだけ共に過ごしていても話は尽きず、心地よさを実感するのだった。


――ずっと一緒にいられたらいいな


 まだ付き合ってから数ヶ月しか経っていないが、そんな風に真剣に考えるようになっていた。

 

――今回のこの思い出も、いつか良い脳内旅行の行き先になって、二人で写真を見返して記憶違いを笑ったりして……


 悪くない。そんな指摘をし合う未来も、楽しそうだ。


――そうだ。眠る前に行ってみよう。ベビーカーの、一番古い私の旅先……


 昼間に見た、アルバムの写真を思い返す。思ったよりもボロボロで、日除けに残るシミの跡。少し修正されたであろう、記憶の中へ。


 今夜の旅行先に、紗和は赤ん坊の頃のベビーカーの内側を選択したのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ