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これって……どういう事なの?

「鈴木真理は、親父の家で暮らした方がいいだろう。……体調が良い時には会いに来てやってくれ。駅前の畳店だ」


 叔父さんが真理ちゃんのお母さんと険しい表情で話している。

 

「……でも……真理は母親である私と暮らした方が……」


 ……?

 お母さんが慌てているように見える?


「……大丈夫だ。鈴木真理は俺が預かる。偽鈴木夫妻も今すぐ荷物をまとめてくれ」


「……え? 今すぐ……ですか?」


 おばあさんが困惑している。

 おじいさんはずっと黙っているね。


「今すぐだ。駿河はおばあさんの手伝いをしてやれ。『繋ぐ者』はおじいさんの手伝いをしてやってくれ」


 こうして四人が部屋から出て行ったけど……

 なんだろう?

 この感じ……

 違和感しかないよ。

 まるで、おじいさんとおばあさんを見張らせるみたいにおじさんと繋ぐ者を付いて行かせた……


「叔父さん? どうしたの?」


「……真葵……気づかないか? 家中に監視カメラが仕掛けてある」


「……え?」


「駿河がキッチンに行った時、廊下や風呂場にまで監視カメラがあるのを確認してきた」


「それって……繋ぐ者が?」


「そんなはずないだろ。繋ぐ者は証拠を残すような事はしない」


「……じゃあ誰が?」


「偽鈴木夫妻だな」


「……え?」


「あいつらは怪し過ぎる」


「すごく優しいおじいさんとおばあさんだよ?」


「……さっき……鈴木真理の曾祖母が穏やかに亡くなったみたいな事を言っていたが……あれは嘘だ」


「……え?」


 真理ちゃんのお母さんが驚いた表情で声を出した。


「曾祖母は他殺だった。偉い奴らが揉み消したんだろうな」


「……他殺? おばあちゃんが……殺された?」


 お母さんの声が震えている。


「これは俺の考えだが……鈴木母に電話した曾祖母を邪魔に思い消したんだろう」


「……そんな」


「本当に曾祖母が認知症だったのかも分からない」


「……それも……嘘だったんですか?」


「何が真実かは分からない。だがあの二人が鈴木真理を監視していたのは確かだ」


「……真理をこんな恐ろしい所に……あぁ……真理……ごめんなさい……やっぱり……私と病院に……」


「……俺は……行かない」


 真理ちゃんが怖い表情でお母さんを見つめている?


「……え? 真理?」


「俺は真葵と一緒にいる」


「真理……」


「だって……お前も偽者だろ?」


 ……?

 真理ちゃん?

 お母さんが偽者って……?

 

「……え? 真理……何を……」


 お母さんがかなり動揺しているけど……

 真理ちゃんは心を聞けるから偽者だって分かったの?

 じゃあ……

 真理ちゃんのお母さんの振りをしているこの女性は誰?


「俺を連れて来いって誰かに頼まれたんだろ?」


「真理……? 私は……本当のお母さんよ……」


 これって……

 どういう……


「皆嘘だ……この世界は……嘘つきしかいない! 嘘がないのは真葵だけだ!」


 真理ちゃんの言葉に心が痛む。

 一番の嘘つきは私なんだよ……

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