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忍びの借金取り?

「どうした?」


 お兄ちゃんが尋ねてきたけど……


「ほら。あそこ。真理ちゃんのおじいさんとおばあさんだよ」


「あぁ。確かに」


「一緒にいる男性は誰だろう」


「うーん……この辺の奴じゃなさそうだな。見た事がないし」


「そうだね……深刻な表情だけど大丈夫かな?」


「うーん……口の動きからすると……」


「え? 口の動きで何を話しているか分かるの? すごい! さすがは忍びだね」


「うるさいから黙ってろ。うーん……時が……かえる前に……消す……って男が言ってるな」


「時がかえる前に消す?」

 

 時間?

 帰る?

 返る?

 替えるとか?

 なんだろう……


「うーん……鈴木真理の祖母が……もう少しだけ待って欲しい……みたいな事を言ってるな」


「まさか……借金取り!?」


「うーん……あっちの男の方は口を小さくしか動かさないから分かりにくいな」


「……そんな……どうしよう……」


「もう少し近づけば何か聞こえるかもしれないな」


「じゃあ、もう少し……」


「あ……待て」


「え?」


「あの男……どこかで……」


「見た事があるの?」


「どこだったか……ずっと前だったような……」


「え? 知り合いなの?」


「身のこなしが忍びだな」


「じゃあ駿河の里の?」


「うーん……おっさんなら知ってるかも。でも今はいないし……」


「おじさんは今施設にいるの?」


「そうだ」


「じゃあスマホで写真を撮って後で見てもらおうよ」


「でもあの男は忍びだぞ? 音がしたらバレるだろ」


「大丈夫。無音カメラのアプリが入っているから」


「無音カメラ? さすが探偵だな」


「浮気調査には絶対必要だからね。よし。撮れた」


「あ……男がどこかに行ったな。おばあさん達は家に入ったか」


「忍びの借金取りなんて……おばあさんとおじいさんは大丈夫かな?」


「あの男が忍びなら借金取りじゃないだろうな。おばあさん達を見守る者……じゃなさそうだし。って言うよりあの二人には見守る者は付いてないよな」


「え? そうなの?」


「まあ、時々サボる奴もいるらしいからな」


「サボる? そんな事をして大丈夫なの?」


「見守る者って言っても色々だからな。あの二人は息子も保護されてるらしいから孫である鈴木真理の兄が保護されてる施設じゃなくて、息子を保護してる奴が見守ってるんじゃないか? そこが非公認の施設だったらまともには見守ってないかもな」


「そんな……」


「とりあえず俺のスマホにその写真を送れ。おっさんに訊いてみる」


 おじさんなら誰か分かるかな?

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