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襲撃なんて物語の中だけじゃないの?(7)

「新たなる日本? 何……それ?」


「駿河様が蘇れば他国に怯える事はなくなる」


 狩野さんは本当にそんな風に思っているの?


「駿河が精神破壊ができるから?」


「それだけじゃないよ。真葵ちゃん……鈴木真理の事は残念だけど……覚醒に失敗した者は二か月以上は生きられないんだ」


「分からないよ! そんなのやってみないと分からない! 覚醒に失敗したら手足を折られても動き続けるって聞いていたけど、鈴木さんは激弱だよ? 今だって私に馬乗りになられて動けていないし」


「……それは真葵ちゃんに精神破壊が効かないからだよ」


「精神破壊が効かない?」


「俺たちは覚醒者に会う時は決して目を合わせないんだよ」


「……精神破壊されちゃうから?」


「そうだよ。でも真葵ちゃんはしっかり目を合わせているね……不思議だ。どうして大丈夫なんだろうね」


「じゃあ……私の検査をして?」


「え?」


「そうすれば鈴木さんを救う方法が見つかるかもしれないでしょ?」


「本気で言っているの?」


「……痛いのは嫌だけど……鈴木さんが死んじゃうのはもっと嫌だから」


「……まぁ血液検査とか……そのレベルだからそれほど痛くはないだろうけど……まさか自ら言うなんて……問題はどの施設で検査をするか……だね」


 今、狩野さんがチラッと施設長を見た?


「狩野さんがするんじゃないの?」


「うーん……検査は施設でする決まりなんだよ。『繋ぐ者』が決まりを破るわけにはいかないんだ」


「そうなんだね……」


「それと……葵様の施設でもできないんだよ」


 葵『様』……か。

 もしかしたら覚醒者には『様』をつける決まりがあるのかな?

 でも叔父さんの事は『小田ちゃん』って呼んでいるよね……

 叔父さんが覚醒していて隔世遺伝っていう事は秘密にしたいのかな?

 

「……ママがいる施設だと検査ができないの?」


「家族は同じ施設には入れないんだ」


「……そうなんだね……じゃあ鈴木さんのお兄さんがいる施設は?」


「……それなら問題ないよ。でもどうしてそこに?」


「心から鈴木さんを心配しているように見えたから……かな? この施設長なら鈴木さんを真剣に助けてくれると思ったの」


「そう……分かったよ。じゃあ……施設長、真葵ちゃんの検査を頼むよ」 


 狩野さんが施設長に頼んでくれたけど……

 私を見つめながら無言で頷いた?

 迷惑だったかな?

 

「狩野さん……鈴木さんはどうなるの?」


「鈴木真理? そうだね。危険だから施設には預けられないし……『繋ぐ者』所有の独房に入れるしかないかな」


「独房!? それって……ひとりぼっちっていう事?」


「危険だからね」


「暴れるっていう事?」


「そうだよ」


「暴れなければいいの?」


「え?」


「鈴木さんの中にいる人は独房に入りたい?」


「……は? この状況で俺に拒否権があると思うのか?」


 鈴木さんの中にいる人は独房に入るつもりなの?

 駿河だったらもっと暴れるんじゃないの?

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