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寝た振りっていつ起きればいいか分からないよね(3)

「葵様は、こいつの話を聞いてる時はよく笑うからな。でも、色々知った事も話すのか?」


 おじさんの相棒が心配しているみたいだ。

 確かに私は色々知り過ぎたみたいだから……


「葵様に隠し事はできないよ」


 おじさんは全部話すつもりなんだね。


「悲しむだろうな」


「葵様も覚悟はしていたはずだよ」


「葵様の悲しむ顔なんて見たくない……」


「俺もだよ。だからこそピヨたんを守るんだ」


「はぁ……ずっとこいつに見つからないように見守ってたけど……これからはこいつの世話係になるのか?」


「はは。世話係じゃないよ。それにピヨたんは俺達を下に見るような事はしないよ」


「葵様は俺達を大事にしてくれるけど、他の施設の覚醒者はそうでもないんだろ?」


「さあ……俺にはよく分からないけど……ピヨたんは覚醒者じゃなくて保護対象者だからね。安全を守るのが俺達の役割で、世話係じゃないよ」


「はぁ……面倒だな」


「はは。俺は嬉しいけどね。これからは堂々とピヨたんを守れるんだから。あ、それから俺達が保護対象者に名前を教えたらいけない事は知っているよね?」


「それも知ってるよ。忍びの掟だろ? 『駿河』としか名乗れないんだよな?」


「そうだよ。ピヨたんは俺を『おじさん』って呼んでくれたんだ。あぁ……かわいいなぁ。あのピヨピヨ言ってたピヨたんが俺を『おじさん』って……」


「また始まった……ん? 帰ってきたみたいだな」


「確かに……いいかい? 絶対一真を怒らせたらダメだよ? 今でこそ丸くなったけど施設にいた頃は凄かったんだ」


「へぇ。強いのか?」


「それもあるけど喧嘩っ早くてね。しかも顔がいいから嫉妬される事もあって、絡まれるたびにやり返していたよ。やり過ぎるくらいにね」


 やり過ぎるくらいに?

 叔父さんならやりそうだね……

 


「駿河。真葵は? 起きたか?」


 叔父さんの声だ。

 結局起きるタイミングが分からなかったよ。

 おじいちゃんはまだいないのかな?

 目を閉じているから分からないよ。


「一真おかえり。早かったね」


「……お前にそう言われると変な感じだな」


「はは。これからは一日おきに挨拶できるよ」


「……真葵に近づき過ぎるなよ」


「分かっているよ。でも……嬉しいなぁ。こうして一真とも普通に話ができるし」


「お前は相変わらず甘いな」


「はは。皆が殺伐としていたら息が詰まるからね」


「……真葵は純粋過ぎる。悪い奴に騙されて連れ去られる可能性もある。『見張る者』に真葵の存在を知られてしまった。どこまで情報が漏れたか分からない。はぁ……常に気を抜けなくなった」


「分かっているよ。大丈夫。何があろうと守るから。絶対に酷い目には遭わせないよ」


「……狩野が動き始めた」


「狩野さんは非公認の見張る者なんだよね?」


「はぁ……真葵に妙な事を教えるなよ。あいつはなんでも簡単に信じるからな」


「え? 見張る者じゃないの?」


「狩野は『繋ぐ者』だ」


「え? 繋ぐ者……噂には聞いた事があったけど……狩野さんが繋ぐ者……」


 見守る者のおじさんでも繋ぐ者に会う事はないみたいだね……

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