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叔父さんから語られた話は真実? (7)

「狩野さんが叔父さんを助けてくれたの?」


 その時、二人は知り合ったのかな?


「俺を拐った『奴ら』のどこかから俺のデータが漏れて、狩野が動いたんだろう」


「叔父さんのデータ?」


「他の覚醒者とは違うデータ……か? 俺には難しい事は分からない」  


「それで狩野さんが駿河の末裔である叔父さんを助けに来たの?」


「その時、狩野から駿河の事を聞いたんだ」


「……そうだったんだね」


「約一年振りに家に帰ると……葵はいなくなっていた」


「……うん」


「施設が完成したのかと思い葵に会いに行くと、まだ内装が終わっていない状況で……ずっと前に葵から聞いていた『生まれ育った場所』に行ってみると、そこは商業施設だった」


 鈴木さんが話してくれたのと同じ内容だ。

 でも……

 どうして鈴木さんがそれを知っているんだろう?

 ママの存在は一部の人しか知らないんだよね?


「色々調べてみるとその商業施設では十五年程前に爆発事故があったようだった」


「爆発事故?」


「最上階だけ……な。他の階には何の被害も無かったらしい」


「ママが二歳の頃に『繋ぐ者』が助けに来た時の襲撃……?」


「だろうな。偉い奴がバックにいるからな。爆発事故って事にしたんだろう……」


「……待って? ママはその商業施設には二歳までしかいなかったんだよね? その住所を覚えていたの?」


「……葵は特別だ」


「特別?」


「一度見聞きした事は絶対に忘れない。そう。お前と同じだ。真葵……」


「……まさか。駿河の力……」


「いいか? これからもバカの振りをしているんだ」


「叔父さん……」


「お前が『パパ』と呼ぶ駿河に幼い頃言われた言葉を覚えているな?」


「……私は頭が良過ぎるから同級生の友達と仲良くできないかもしれない。だから頭が良い事は隠すんだよって……」


「施設長はお前が『パパ』と呼ぶ駿河を信頼していた。だからお前が駿河の末裔だという事を聞いていたんだ」


「だからパパは私が駿河の末裔だと周囲に疑われないようにあんな事を……あれ? じゃあ私はもう覚醒しているんじゃ……」


「いや、覚醒はしていない」


「え?」


「覚醒はそんな生易しいものじゃない。身体が引きちぎれそうに痛くて心が握り潰されそうになる。誰かが頭の中で『殺せ殺せ』と叫び続けて、その通りにしたくなる」


「……え? それって駿河の感情……?」


「その声に従えば覚醒は失敗……逆らえば覚醒は成功するらしいな」


 頭の中に駿河の声が聞こえてくるの?

 そんな事があるの?

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