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叔父さんから語られた話は真実? (3)

「駿河は相手の心に入り込み精神を破壊する力を持っていたらしい」


 叔父さんは真剣みたいだけど……


「……そんな事あり得ないよ」


「俺もそう思う。ファンタジーでもあるまいし……これは令和の現実世界だ」


「まさか、私が知らなかっただけで能力者が不思議な力で戦ったりしているの?」


「そんなはずないだろ。さっきも言ったがこれは令和の現実世界だ」


「鈴木さんの心に二つの人格がいるみたいに思えたのは……鈴木さんの身体に入れられた駿河の人格……って事?」


「嘘みたいな話だろ?」


「どうやって駿河の人格を鈴木さんの身体に入れたの?」


「よくは分からない。飲み物だったり注射だったり……その施設によりやり方は違うようだな」


「そんな事で人格を身体に入れ込むなんてできるはずないよ」


「遺伝子がなんとか……とか言ってた気がするな」


「遺伝子? 誰がそんな事を?」


「施設の『奴ら』だ」


「こんな事は人としてやったらダメだし……他国に知られたら大変な事になるよ」


「だから偉い奴らが隠してるんだ」


「……そんな」


「真葵……俺は隔世遺伝してはいるが……駿河の力は弱いようだ」


「叔父さんも精神破壊ができるの?」


「できるはずないだろ。そんな事ができるなら『奴ら』に捕まったりしなかった」


「行方不明になっていた時の事?」


「……ああ。そうだ。真葵……もう隠し事は無しだ。全て話そう」


「……全て?」


「俺は……親父……畳屋のじいさんの息子として産まれた」


「……うん」


「俺が中学生の頃に、親父の職人仲間の佐藤って奴がやってる駅前の畳店を閉める事になったらしくてな。それじゃもったいないからって親父が継いだんだ。俺達は元々ここには住んでいなかった」


「そうだったんだね」


「俺はその頃荒れててな……家には寄りつかなかった。だからこの辺の人達は俺が親父の息子だとは知らなかった」


「……うん」


「俺は喧嘩ばかりしていて……そこで施設にスカウトされたんだ。これからは暴れても逮捕されないぞって言われてな」


「暴れても逮捕されない?」


「……そこにいたのが……真葵の母親……葵だった」


「葵? 叔父さんが一真でママが葵……合わせて……真葵? ママの名前は花子じゃなかったの?」


 叔父さんはずっとママは花子だって言っていたのに。


「鈍感なお前でもさすがに俺が一真で母親が葵ならバレそうだからな」


「……バレたらダメだったの?」


「お前はまだ十一歳だった。口を滑らせでもしたら大変だろう?」


「『奴ら』に知られるのを恐れていたの?」


「『奴ら』にも二種類ある。『見張る者』と『見守る者』。そして『見守る者』も全員が同じ考えではない。施設によりやり方も持っている情報も違う」


「……うん」


「真葵の母親を拐った『奴ら』は、まだ信頼できる」


「おじさんも同じ事を言っていたよ。ママと鈴木さんのお兄さんを拐った施設では穏やかに過ごせるって。でも他の施設では正規の場所でも人体実験されたりしているって……」


 人体実験って何をされているんだろう……

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