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叔父さんから語られた話は真実? (2)

「私達のご先祖様が化け物?」


 叔父さんは何を言っているの?

 

「……狩野から聞いた言い伝えだから確かな事は分からないがな」


 冗談を言っている感じじゃないけど……


「人間……なんだよね?」


「……手足を折られても暴れ続けたらしい」


「え? それって、さっきおじさんから聞いた覚醒に失敗した人みたい……」


「それも聞かされたか……そうだ。覚醒に失敗すると痛覚を失うらしい」


「……よく分からないよ。私達のご先祖様が化け物? 手足を折られても動き続けた人に子供がいて……その末裔が私達?」


「……そのようだな」


「あれ? でも……パパもおじさんも名字が駿河なんだよね?」


「……あの二人は忍びだ」


「忍び? え? 忍者なの? じゃあ伊賀の忍者!?」


「いや、違うらしい」


「……え? じゃあ甲賀?」


「それも違う」


「そうか。確か伊賀と甲賀以外にも忍者の流派はいっぱいあったんだよね」


「……駿河に仕える者と言えば分かるか? 徳川の時代から駿河を守る為に駿河を名乗っていると言っていた。駿河の末裔は駿河を名乗っていない。だが何かあれば駿河の里の忍びを頼れるようにと駿河を名乗っている」


 駿河ばかり出てきて土地の駿河なんだかご先祖様の駿河なんだか守ってくれる駿河なんだか分からなくなるよ……


「私達のご先祖様を守る者? だからパパとおじさんは私を守ってくれたの?」


「……それは違う」


「違うの?」


「今隣の部屋で電話している駿河は、真葵を駿河の末裔だと知り守っていたわけではない。所属している施設で雇われているだけだ」


 今の話し方だと、パパは私が駿河の末裔だって知っていたみたいだ。


「おじさんは本当に忍びなの? 体力が無さそうだったけど……」


「あいつも昔は痩せていたんだ。今はすっかり中年太りだがな」


「昔からおじさんを知っているの?」


「ん? そうだな。……俺は真葵の母親と逃げるまでは『奴ら』だった。『奴ら』は駿河の里の忍び以外にも大勢いる。俺も忍びではないしな」


「……叔父さんが『奴ら』だった事は鈴木さんから聞いたよ」


「ここから先は鈴木が知らない話だ」


「え?」


「俺は真葵の母親とこの地に逃げて来る途中……覚醒した」


「叔父さんもピックアップされて薬を使われていたの? そういう人も『奴ら』になれるの?」


「……いや。俺は治療を受けてはいない」


「……え? それって?」


「さっきも話したが……俺は隔世遺伝したようだ……」


「……まさか……叔父さんに駿河の化け物の力が……」


「ああ。もう分かっただろう。ピックアップされた人達は『駿河』を作り出す為の薬を投与されていた」


「駿河を作り出す……薬?」


「隔世遺伝したのは俺だけじゃない。過去にもいたようだ。駿河には数人の子がいたらしい」


「……数人?」


「鎖国を終える直前……この国のお偉いさんが駿河に出会った」


「駿河……私達のご先祖様?」


「ああ。そうだ。そのお偉いさんは鎖国を続けるべきだと考えていてな。駿河に協力を求めた」


「駿河がいれば鎖国を続けられたの?」


「……恐ろしいほど頭が切れたらしい」


「頭がいいだけで国を守れるの? 相手はすごい武力を持っていたんだよ?」


「……精神破壊」


「……え?」


「よく漫画や映画で見るだろう。能力者……とか……異能……」


「特殊な力って事?」


 本当にそんな物があるの?

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