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お友達ができない⁈ 12歳

12歳になった。


わたしの生活は改善されて今はとても幸せだ。


……なんてことはなかった。


王太子妃教育は暴力はなくなったけど、厳しいのは当たり前。


学校が始まってからは週末は王宮に通う日々。


王太子の婚約者なのだから成績が悪いなんてあり得ないと言われた。

常にトップを目指さないといけないわたしは授業が終わると図書室で勉強するのが日課になっている。

屋敷に戻れば侍女長から何を言われるかわからないしどうせ食事抜きは当たり前。だったら時間いっぱい学園にいた方が放課後、食堂で何か食べることもできるし精神的にも楽。


……だったはずなのに、目の前にいるコイツ。


ほんとうざい!


どこか行ってくれないかしら?


14歳になったイーサン殿下はいつも数人の女の子とイチャイチャしている。顔を近づけて楽しそうに会話をしたりベッタリと引っ付いて椅子に座ったり。


それもわざわざ図書室で。


いや、他のところですればいいじゃない!何故わたしの近くに来てするのか意味がわからない!


わたしはそんな奴らを無視してひたすら勉強をしている。


「カトリーヌってほんと可愛げがないよね?可愛いのはその顔と髪の色だけだね?」

殿下がわたしの近くに来て話しかける。


わたしは聞こえないふりをしてひたすら勉強に励んでいる。

ーーお前のせいでわたしはこんなに勉強しないといけないのに、なにコイツイチャイチャしてるの?

イチャイチャしたかったらさっさと婚約解消してくれたらいいのに!


わたしは何回陛下にお願いに行っただろう。その度に却下された。

今度は「女の子とイチャイチャしたそうだからわたしは無理なので婚約解消したい」と言いに行ってみよう。

わたしは固く決心した。




ーーーー


ふと気がつくとわたしは教室でぼっち。


みんな数人で固まって話したり食堂へ行ったりしているのに何故?


わたしは確かに自分から話しかけてはいない。


でも別に無愛想にしているわけでもない。


あ、だけど何故か男子は話しかけてくる。


「カトリーヌ様、本が落ちました」

「今日の髪型可愛いですね」


「ありがとう」ニコッと笑うと顔が赤らむ男子。

ふふ、みんなピュアで可愛い。

なんて思っていたら話しかけてくるのは男子ばかり。


女子はみんなわたしを遠巻きにしている。

耳を澄まして聞いてみると


「カトリーヌ様って男好きって噂本当だったのね」

「イーサン殿下の婚約者のくせに男に媚び売って信じられないわ」


なんて話が聞こえてきた。


ーーえっ?わたしがいつ男に媚び売ったかしら?

ーー男好き?ふざけないで欲しいわ。

女好きなのは殿下であってわたしはあんな奴とは違うんだから!


わたしのこの髪の色のせいで損してる気がする。見た目だけで軽いとか男好きだとか、ぶりっ子だとか言われるけど、わたしはどちらかと言うと馬に乗ったり剣を振り回す方が好きなの!

男好きなのではなく男子と一緒に駆け回りたいだけなのに。無理だけど。


無理矢理、王太子の婚約者にさせられてこんなお淑やかなふりをさせられているのに!


と言いたいけど、言い返せない。

ま、言っても信じてもらえないしね。


でも許せない噂がわたしの耳に入った。


「カトリーヌ様って放課後図書室で男子と二人で過ごしているらしい」だと!


男子?12歳のわたしが何をしていると言うのよ!


確かに最近図書室で一緒に勉強する仲間ができた。


でも彼は飛び級で入学した10歳の男の子。

わたしの苦手な歴史を10歳の男の子、名前はジャンに教えてもらっているだけなのに!


なんかムカつく。


頭にきて歩いている時、机に出された足を踏んづけてやった。


「な、なに!痛い!」

態と足を出してわたしを引っ掛けようとした女子の足を踏んづけてあげただけなのに、わたしを見て睨んできた。


わたしは「ごめんなさぁい、大丈夫ですかぁ?」と心配そうに目を潤ませて聞いた。


悔しそうに「大したことありませんわ」とさらにキッと睨んできた。


「よかったぁ、わたし細いからぁ大したことなかったのね」

とクスッと笑うと、真っ赤な顔でプルプルとしていた。


ーーあ、これで友達また出来なくなった。


すると少し離れた席から「クククッ」と笑い出す人がいた。

その横の女の子も「ぷはっ」と笑い出した。


ーーうん?


その声に振り向くとそこに男子一人と女子二人がわたしを見て楽しそうに笑っていた。


ーーううん??何が楽しいのだろう?


周りをキョロキョロと見回したけどどう見てもわたしを見て笑っている。


するとその中の一人の子がわたしを手招きした。


ーーえ?何?


仕方なく三人のところへ行くと


「ス、スカートが……」

と言いながらわたしのスカートを指差した。


自分のスカートを急いでみると………


な、なんと!思いっきりペンキが付いていた。


「え?な、なんで?」

黒いスカートに真っ黄色いペンキがお尻のところから裾にかけてベッタリと付いていた。


「ふん、威張って歩いているからよ」

「男子に泣きついたらいいのよ」


なんて声が遠くから聞こえてきた。


別に男子に泣きつきたくはないけど、結構堪えたかもしれない。


ーーナキソウ……


「ブランゼル様、笑って申し訳ございません。あまりにも堂々とされていたのでつい可愛くて」


ーーカワイイ?


「わたし替えの制服を持っておりますので更衣室へ行きましょう」


そう言ってくれたのは顔だけはお互い知っているセリーヌ・シトラー侯爵令嬢だった。


とにかく着替えないわけにはいかない。そう思い、彼女の好意を素直に受けることにした。

セリーヌ様は何度かお茶会でご一緒したけどわたしに対して意地悪をしたり馬鹿にすることのない数少ない令嬢だった。


「ありがとうございます」


更衣室へ行くと制服を貸してくれた。


「ブランゼル様はその可愛い容姿のため女子からの反感がかなり凄いのにいつも負けないで頑張っているでしょう?誰とも仲良くなろうとせず一人で。

何度か話しかけようとしたのですがいつも大きな壁を作っていて話しかけづらかったのですが今日はなんだか親しみを感じました」


「親しみ?」


「はい、あのわざとらしい話し方。素敵でしてよ?」

にこりと笑うセリーヌ様。


「あっ……あの話し方?」


「ええ、ブランゼル様は決してあんな話し方をしないのに態とされたでしょう?」


「どうしてそう思われたのですか?」


「あなたはその容姿のせいで誤解されていますけど本当は可愛らしいその姿に反してお転婆で負けず嫌いですもの」


「ご存知……ですよね、確かに」


うん、わたしは王太子殿下の婚約者になる前までは木登りしたり外を駆け回る方が好きだった。


それに……


すみません。

この前にもう1話あったのに……


変更しています。


こちらは5話だったのが6話に書き直しております

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