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夜会にて⑤

そっと覗くとお義兄様はみっともない裸でぐったりと倒れていた。


「ジャン様!その気持ち悪いの、どこかにやってください!目が腐る!」


わたしが手で目を隠しながらジャン様に向かって叫んだ。


「カトリーヌ様少し待ってて。こっちを向かないで」


「わかったわ、その汚いの早くどうにかしてちょうだい!」


「お前達なんて失礼なことを言うんだ!」

お義兄様が怒鳴ったが裸で寝転がらされているので怖くもない。ただ気持ち悪いだけ。


「はい、静かにしてください」


ジャン様はどこからかロープを持ってきて手首と足首を縛りあげた。


そして廊下に出るとすぐに騎士達を連れて中に入ってきた。


「失礼致します」


「おい!このロープを解け!な、何してるんだ。

せめて服を着せてから連れて行け!カトリーヌ、あんなに可愛がってあげたのにお前のせいだ!お前があんなことをするから俺はこんな格好をする羽目になったんだ」


ーーあんなことをするからなんて言い方しないで欲しいわ。ただ気持ち悪くて吐いただけだし。わたしがへんなことしたみたいに言わないで!


お義兄様は騎士達に連れて行かれた。


わたしはジャン様と二人になり……


「ねえ、ジャン様って「影」さんなの?どうして天井なんかに居たの?」


「カトリーヌ様が言っただろう?囮作戦。

まさか本当に囮になってしまうとは思っていなかったんだけど。

ロイズ様の行動には驚いたよ、貴女は安全なこの部屋で過ごしている間に全てを解決する予定だったんだ。僕は一応君が何か仕出かすかもしれないから監視役として見張っていたんだ」


「??囮作戦はまだ先の話だったわよね?」


「君はすぐ顔に出るからね、絶対失敗するのわかっていたから、僕とイーサン殿下とドーナル様と三人で考えたんだ」


「え、え、わたしの作戦は?」


「あ、あれ?君を屋敷に一人っきりにして襲わせる、なんて作戦出来るわけないだろう?だって使用人達が全員居なくなるなんて出来ないし、それこそ何かあると思って犯人も何にもしてこないよ」


「酷い!わたしが真剣に考えた作戦なのに!」


わたしとジャン様が話していたらイーサン殿下とマッカーシー様が部屋に来た。


「二人ともお疲れ様でした」

ジャン様が当たり前のように出迎えた。


「ロイズ殿はこっちへ来てしまったようだね、カトリーヌ怖い思いをさせてすまなかった」

イーサン殿下が謝ってきたので


「どうして殿下が謝るのですか?」


と不思議になって聞き返した。


「今回の夜会で決着をつけるつもりでシトラー侯爵とロイズ殿にカトリーヌを襲わせることにしたんだ」


「え?やっぱりわたしが囮?」






「最初から話そう……」


今夜の夜会でイーサン殿下がカトリーヌをエスコートしなかったのは態とだった。


最近はイーサン殿下はカトリーヌに対して優しくしていたのだが、また冷たくなることでロイズに不仲になっていること、婚約解消があるのではと匂わせていた。


カトリーヌがポツンと一人で夜会に行く姿を見たロイズはその姿に仄かな悦びを感じていた。


そして陛下の突然の婚約解消。

これは本当に解消することを前提で夜会で不機嫌に発表してもらうようにイーサン殿下が頼んでいた。


それをイーサン殿下が夜会で拒否する。


シトラー侯爵にはセリーヌを婚約候補にと考えていることを陛下が匂わせてくれていた。

ハッキリとではなく、もしもカトリーヌとの婚約が解消すれば次はセリーヌをと考えているのだと態と告げてくれていた。


なのにイーサン殿下はみんなの前で婚約の解消を嫌がった。そして奥の部屋へと連れて行ってカトリーヌを軟禁したのだ。


ただし、カトリーヌが入ったのは別の部屋。

もう一つの部屋には………


誘き出すために別の部屋に……カトリーヌの代わりにセリーヌがカトリーヌと同じドレスを着てカツラを被り後ろ姿ならわからないようにして軟禁されていた。


これはセリーヌがドーナルに頼んで自分も二人を捕まえるためにこの作戦に参加したいと言い出したから。


ドーナルはこのまま父親が殺人未遂犯で捕まれば、お家取り潰し、セリーヌは一緒に処刑されるか修道院へ行くか平民になるしかないのをわかっていたのでセリーヌに選ばせたのだ。


どれも侯爵令嬢として生きてきたセリーヌには辛い未来しか待っていない。

だからセリーヌがこの作戦に参加することで恩情をなんとか貰い少しでもこれから先も生きていって欲しいと願った。


そしてセリーヌは、

「わたしは処刑されても仕方がないと思っています。でも死ぬのならカトリーヌ様の役に立って死にたい」


父親である侯爵は、セリーヌが居る部屋に入り自ら殺そうとした。


「貴様が死ねばセリーヌが殿下の婚約者になれる。お前の父親が泣き叫ぶ姿をやっと見られる。

ハハハやっとアイツの不様な姿が見られるんだ」


そう言いながらセリーヌの背に向かってナイフを振り翳した。


セリーヌはわかっていて動かなかった、逃げずに殺されることを願った。


ーーやっとお父様からの呪縛から解放される


「バシッ」


セリーヌの座るソファの陰に隠れていたドーナルとイーサン殿下がシトラー侯爵を取り押さえた。


























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