いつもの通勤ラッシュ
『ドア閉まりまーす、駆け込み乗車はおやめください〜』
「はぁ〜通勤ラッシュはいつだってしんどいな。」
毎朝の通勤ラッシュに耐え続け、会社員として生きて早10年。だが、居心地最悪かといわれると…そうでも無い。
実は俺が乗っているこの電車、可愛い子が多いと噂の女子校の生徒や私立小学校へ通う子供たちがたくさん乗っている。そのあらゆる女子たちを見て、癒しにしている。もちろんそんな事を口に出したらキモがられるに決まってるから自分の中に留めている。
…でもぶっちゃけ、世の中の男性陣も内心そう思ってるはず。そうでもしないとやってらんないしな。
「きゃー!ちかん!!」ガヤガヤ…
おっと、遂にやったか。痴漢ねぇ、我慢しなきゃダメだよ、ここは現実世界なんだから。
でも…興奮するだろうなぁ。おっと、俺はちゃんと理性保ってるからする訳ない。
ただ、時々思うことがある。女の子の身体になれたら幸せだろうなぁって。だって、柔らかくていい匂いで、みんなから可愛い可愛いって言われるあの存在。ずるいな。こんなおじさんじゃ、可愛い子を見て癒されるのが精一杯。
やっと次の駅だ。と思ったその瞬間、背中に電気が走るような感覚。気づくと俺は横たわっていた。何が起きたんだ?痺れて、動けない。耳鳴りがする。意識が遠くなっていく。この時俺は、死を悟った。
「あぁ、来世は可愛い女の子になりたいなぁ」