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ガンガン行こうぜ!

「マップはこまめに書いていくでヤンスよ。」



 犬の人がマップ作成の方法をレクチャーしてくれていた。通路の形に合わせて線を引き、罠があったところには印を入れたりした。



「こんな感じでいいの?」


「そうそう!そんな感じでヤンス。」



 犬の人はそれでいいと言う返事をしてはいるが、若干、そわそわしているような……。



「…おかしいでヤンス。中の構造が違うような気がするでヤンス……。」



 ブツブツ独り言を言っている。……あやしい!



「何か言った?」


「……んん!?な、なんでもないでヤンスよ!」 

 


 そう言いながら、ピ~ピピ~♪と口笛を吹き始めた。……なんてベタなごまかし方なんだ!これなら自分からあやしいと言っているようなもんだ。



「ホントにぃ~?なんかあったら承知しないぞ?」


「な、な、な!?なにも……、」



 犬の人は慌てふためき、口をもごもごさせている。



「……ない?ある?どっち?」


「あ、あるでヤンスぅ~!」



 とうとう白状したな!やっぱり、なんかおかしいんだな?



「じゃあ、説明してもらえる?」


「あ、あ、あ、あの!え、えーと……、」



 犬の人はしどろもどろになっている。目線もキョロキョロして、全然定まっていなかった。



「な、なんかスけど、前に入ったときと罠の位置とか、通路が増えてヤウンス!ヤンヌ、フンス!」



 口調が物凄く変になっている。動揺しすぎだろ。



「勇者様!さっきから周りの様子が変です!」


「やっぱ、気のせいじゃなかったか!」



 周囲から物々しい気配が近付いているのは気付いていた。



「初心者ザマぁ!!お前らの冒険はここでオシマイ!」



 気配の正体が姿を現した。数人の冒険者風のヤツラが次々と出てきた。



「泣いて謝っても許さないからね、俺たち!金を取るドロボウとは違うから。勝つのを楽しむだけだから!」



 リーダーらしいヤツが偉そうに、もう勝ったつもりで宣言した。すがすがしいほどの悪役ぷりっである。コイツは倒しがいがありそうでなによりである。



「あう、あわわ!うわわうわでヤ、ヤヤンスゥ!」



 犬の人の混乱具合がピークに達していた!お前が案内人なのにそんなことでどうするんだ!



「どうしましょう、勇者様?」



 エルちゃんは俺に判断を促してきたが、もう既に魔法の準備を始めているようだった。俺も既に剣を抜いていた。こうなってしまった以上、もう、やることは決まっている!



「決まってんじゃん!……蹴散らしてやる!ガンガン、行こうぜ!」


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