第279話 ゴロウマルがなんだって?
「姉ちゃんにいじめられた、あの日々に比べたら今なんて大分マシでヤンス!」
「なんかあの人、笑顔のままで号泣してるアルよ!」
「キモっ!? なんかどM根性の脳内処理がおかしくなって、喜ぶべき所で泣いちゃってるんじゃない?」
確かにおかしくなっちゃったかもしれんでヤンス。でも、おかげで昔の野良犬スピリッツが蘇ってきたぜ…でヤンス! こうなったからには相手は決して無事に生きて帰れないでヤンしゅよう!(※戦わないのでそんなことにはなりません。)
「妙な精神性になってきたようじゃが、次の問題へ進むぞ。これで最終問題じゃ!」
「これは負けられないわね。次は勝ち越しにさせていただくわ。」
「あっしは是が非でも勝って、欲望をぶちまけてやるでヤンしゅ!」
「うわぁ!? 犬畜生が更に犬な畜生になってる!?」
なんとしてでもぉ〜、アレを実現するでヤンしゅ! 超人絶倫、野良の犬バーサーカーモードで勝ってやるでヤンしゅよぅ! ありとあらゆる感覚を研ぎ澄まして、クンクンしてやるでヤンス! (※匂いだけではアイテム鑑定は出来ません。)
「最終問題のお題はコレじゃ!」
(ゴトン!!)
「こ、これは刀!? 一番の難問的アイテムを出してきたわね!!」
「ヤリー、カタナ、ナギなーた! 一番呪われるとやっかいなのがキター!!」
なんか古そうなカタナが出てきたでヤンス! アイテムの中でも一番お宝率が高い物がとうとう出てきたでヤンスね! 偽物とか贋作が多いジャンルでヤンスし、本物だったとしても、呪いのついてるのが結構あるんで厄介なんでヤンしゅ! 下手するとカタナに操られて、人生を棒に振る可能性もあるんでヤンス!
「コレも古代には存在しなかったもの。とはいえ、今よりも年代は古そうね。2,300年くらい前のものかしらね……。」
「フフン、所詮、極東の国の品だな。我が国の伝統に比べれば大したことのない物品よ。あれくらいの年代のものなら、我が国には星の数ほど存在している。」
「そんな事言っても、西の国で出回っているのが凄いと思うアル。うちの国のはあんまり見かけないのが、質の悪さを物語っているアルよ。」
ソレは言えてるかもしれないでヤンス。同じ曲刀があるのに性質が国によって違ってるのは間違いないでヤンス。切れ味は極東の国の物の方が圧倒的でヤンスし、骨董品としても希少価値が高いでヤンス。アニキの祖国のは実用品と言うよりも美術品としての価値しかないような気がするでヤンス。
「妹よ、お兄ちゃんの発言の面目を潰さないでおくれよ……。」
「兄の失言の尻拭いしてくれてんだよ。感謝しろ、粗❍ン!」
「み、み、み、ミヤコちゃん、こんなに大勢人がいる前で言わないでぇ!」
「情けのない兄じゃのう。ロアとワン公よりもヘタレな男がここにもおったとは。」
ティンロン君もサヨ姐さんにヘタレ認定されてしまったでヤンス。妹のシャンリンちゃんが近くにいるとダメっぽさが更に強調されているような気がするでやんす!
「わかったわ! コレは噂の妖刀”ムラサマ・ブレード”に違いないわ。」
「ほう、意外と早く結論を出したな? では、ワン公よ、そなたはどうじゃ?」
「あっしはまだカンガエチュウ! でも、ムラサマ以外の答えになると思うヤンス。」
「あら、随分と挑戦的ね? 深く考えた所で分かるものではなくてよ。目利きは経験と勘が物を言うのだから。」
「でも、そういうのを乗り越えてオネイサンをギャフン…じゃなくて、別の言葉を言わせたいから、意地になってでも当ててやりたいんでヤンしゅよ!」
「何を言わせたいのかは知らないけれど、間違いなくあなたの方が言うことになるでしょうね。キャンキャン、みっともなく負け犬のように泣き叫ばないようにね?」
「そう言われると逆に興奮してきたでヤンしゅう!」
「うわー、スケベ犬が興奮してる!」
燃えてきヤンした! そんな事言われたらいっそのこと負けてしまって、敵からも味方からも蔑まれておいしいかもしれないでヤンス! いやいや……、勝って”あの一言"を言わせるまでは負けられないんでヤンスよ! うををををん!!
「コレはムラサマじゃなくて、”五郎娘々怒気宗”でヤンス!!」
「ムムッ!? ムラサマほどではないが並び立つほどの一品だと予測しているのか?」
「ごろごろにゃん、って名前、ふざけすぎてない? ホントにあるの?」
「空耳かもしれないけど、うちの国の単語が入ってるのは気の所為アルか?」
ムラサマと同じくらい有名なのが”ドキムネ”なんでヤンス! 武器マニアなヤマメじいちゃんがよく話していたから憶えていたんでヤンス。所有してたみたいでヤンスから多分同じものを見たことがある様な気がするでヤンしゅよ。ムラサマも本当の名前は長くて、”妙歩無羅瑳魔”と呼ぶのがた正しいらしいのでヤンスよ。ムラサマもドキムネも元は作った鍛冶屋さんの名前でなんでヤンス。
「二人共、ファイナル・アンサーじゃな?」
「変わりない。ファイナルよ。」
「ファイトスタイル・ダンサー!!」
「なんかまた意味わからん事言ってる……。」
「正解は……、」
まわりの雰囲気が一辺に緊張した感じになったでヤンス! 当たれば、欲望達成、負けたら、違う意味で欲望達成! あ、アレ? なんか違うような気がしゅるでヤンしゅけど、気にしちゃいけないでヤンしゅ! 果たして結果は……?




